ディスクマットの抗菌剤で皮膚炎
今日、厚生労働省がコクヨS&Tのディスクマット『デスクマット軟質(非転写・抗菌仕様)』に含まれる抗菌剤が原因と見られる皮膚炎の被害報告が592件あったことを発表した。
ディスクマットに含まれているピリジン系有機抗菌剤が原因で、アレルギー性接触皮膚炎を発症していて、治療に30日以上かかった重傷例が約40件あるということだ。
昨年秋に因果関係が明らかになって、10月から製品の回収をしているらしいけれど、まだ被害報告があることから、公表に踏み切ったようだ。
コクヨのサイトに「コクヨ抗菌デスクマットをお使いのお客様へ」という告知が6月2日付けででている。
世の中、清潔、清潔ということで、色々な製品に「抗菌」という表示がついている。「何で?」というものにまで抗菌剤が使われている。
人の体の表面には、色々な細菌や微生物がいるけれど、皮膚からは抗菌作用のある物質がでていたりして、防御機構が働いているので、滅多なことで病気になることはない。だから、抗菌剤を使ってまで清潔にする必要があるのだろうか。
抗菌剤で細菌を殺してしまって、人体の防御機構を働かなくしたり、有用な細菌まで殺してしまったりすることは、本当にいいことだろうかと思う。
抗菌ブームだからといって、メーカーも抗菌にすればいいというものではないということだ。薬剤には、アレルギーや過敏反応をするひとが少なからずいるわけで、今回も販売された抗菌ディスクマットは約35万枚で、報告されたアレルギー発症数は約600だから、発症率は0.17%だ。
この発症率が高いのか低いのかを単純に判断することはできないが、メーカーに責任が発生することに変わりがない。
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