マックス「Vaimo11 FLAT HD-11FL」その２

「Vaimo11」について、前回の続きを書こうと思っていたけれど、文具王が詳細な論考を書いてくれたので、きたきつねは別の視点からつづり針のサイズについて考えてみたい。

11号という新しい規格がどこから来たのかというところに焦点をあててみたい。

マックスには大型のホッチキスとして３号と同じ幅で針の足の長さを長くした12号シリーズと、小型ホッチキスの10号があって、その中間で11号というのが一番単純なネーミングだろう。また、偶然、つづり針の外幅が11mmになっているのは、10号針と３号針のちょうど中間のサイズにしたのだろう。

では、何故この規格ができたかということになる。きたきつねは、11号針で紙をつづった跡をみて、どこかで見たことがあると思って、机の中の書類をひとつ取り出してみて、やはりと確信を持った。

それは、電子複写機のオートステープラーでつづった書類で、そのつづり針を見比べてみると全く同じ。針の長さが違うだけだった。

ようするに、マックスは複写機に装着しているオートステープラーの市場占有率は約９０％ともいわれていて、それに使っている針と同じ規格の針を「Vaimo11」に採用したということだ。

マックスの電動（電子）ホッチキスの針の規格も「Vaimo11」と同じだった。というのも電子ホッチキスと複写機組み込み型のオートステープラーは、同じ機構を使っていると思う。

針もコの字型ではなく、真っ直ぐなNo.50を使っていて、紙をつづった状態の針の外幅は11号と同じとなっている。電子ホッチキスの中でコの字型に折り曲げて、綴るという動作をしている。

オートステープラーは複写機の中に入っているので、マックスのブランドはわからないけれど、世界中の複写機にマックスのオートステープラーが入っているというのはすごいことだ。

ちなみに、10号針は日本のオリジナルの規格ではないかときたきつねは考えていて、マックスが戦後作っていた小型ホッチキスのつづり針は９号だったはずで、９という数字は縁起が悪いので、９号と同じ規格のものをマックスが10号と呼ぶようにしたのではないだろうか。

マックスのホッチキスの綴り針には、１号、３号、35号、10号、11号、12号の他、20号、50号、70号、100号など色々あって、さらにつづり針の足の長さもいろいろある。その他、つづり針の太さや形などが違うタッカー用やプライヤー用のものもある。

ホッチキスも追求すると面白いことが多い。マックスの「ホッチキス物語」は、歴史を知るのに非常によい資料だと思う。