パイロット ダウンフォース
パイロット万年筆の新製品のノック加圧式油性ボールペン「ダウンフォース」をようやく手に入れることができた。きたきつねの住んでいる辺りは田舎なので、なかなか新製品が入ってこないようだ。
3年前に発売されたトンボ鉛筆の「エアプレス」と同様に、ノックで替芯の中の圧力を高くするというものだ。壁にかけたカレンダーに書き込むとか、寝転がって上向きでメモを取るといった、普通のボールペんが苦手とする使い方ができる。
替芯のインクに圧力をかけるということで、インクが良く出るようになるので、普通の油性インクでも低粘度インクと似た書き味になる。
クリップはバインダークリップだけれど、同社の100円ボールペンの「パティント」と同じものだ。先行の「エアープレス」よりも安くするための対策なのだろうか。このクリップは、板バネではなくスプリングを使っているので、耐用回数が非常に多い。
「ダウンフォース」が「エアプレス」に勝っているのは、なんといってもインクの量で、倍以上あるし、普通の替芯が使える。なんだか当たり前のようだけれど、「エアプレス」のようにペン軸の制約からインクの量を少ない特殊な替芯を使うというのは、間違っていると思う。
軸に小さな穴が空いているけれど、「エアプレス」のように加圧メカニズムを見せているわけではない。
説明ではノック加圧インディケーターとなっているけれど、ノックした時に色が変わるだけで、ノックしない時にはスプリングが見えるだけだ。
使って見ると、ほぼ同じ太さのOpt.と比較して、グリップの違いがこれほど書き味に関係するのかと思うくらい書きづらい。低コストを追求したのか、軸がプラスチックで軽いので、ノック式加圧機構の分だけエンドヘビーになっているので、バランスが悪いようだ。
「ダウンフォース」は、パイロットとして自社の油性ボールペんに、加圧式の油性ボールペンがないので、面子のために無理をして作ったのではないかと思う。三菱鉛筆の「パワータンク」のように窒素ガス封入式の替芯と同じものを作るのは難しいから、比較的簡単な替芯内の圧力をノックで高くするという方法になったのではないだろうか。
フリクションとファントムのように無理は、メーカーの信用を落としてしまうような気がする。パイロットはよりオリジナリティーの高い製品開発を進めるだけで良いのではないか。
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