google.com, pub-7269144570220091, DIRECT, f08c47fec0942fa0 文具王のAccessNotebook: きたきつねの文房具日記

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2013年7月22日 (月)

文具王のAccessNotebook

Accessnotebook

高畑文具王のデザインで、総合印刷・紙卸のフジカから今月中旬に発売された「AccessNotebook」は、発売早々好評で品薄状態が続いているようだ。

「AccessNotebook」は、文具王が昔から愛用していた「記帳面INDEX」を大幅に改良を加えたノートらしい。

このノートに関して細かな特徴や使い勝手に付いては、文具王本人が詳細を解説しているので、ここでは別の視点から考えてみたい。

ノートには、薄い紙表紙のノートと堅い表紙のカバーノートがあって、薄い紙表紙のノートは、ごく普通に使われているもので、小学生から大人までだれでも使っているものだ。

堅い表紙のカバーノートは、モレスキンが良く知られている。日本では日記帳のような形で普及しているが、カバーノートはノートとしてあまり使われていない。モレスキンをカバーノートとして使っている人は少ないのではないだろうか。

日本では、いつのころかノートを清書する習慣が無くなったようで、カバーノートが使われなくなったようだ。明治時代の学生のノートを見たことがあるが、カバーノートに授業で習った内容がきちんと清書されていた。

印刷技術が未発達な時代には、教科書が簡単に印刷できなかったので、授業を受ける時には紙の表紙の雑記帳に、先生が授業で黒板に書いた内容を写し、授業が終わった後にカバーノートにペンで清書して自分用の教科書を作ったのだろう。印刷物が簡単にできるようになって、その習慣がいつの間にか無くなってしまったようだ。

日本で、カバーノートの位置に入っているのがルーズリーフになるようだ。

「AccessNotebook」を見て、カバーノートとノートの関係が頭に浮かんだ。「記帳面INDEX」は、ノートに記録した内容の目次を付け検索できるようになっているけれど、やはり雑記帳でしかない。

「AccessNotebook」は、記録した情報をきちんと固定して長期間使うことのできるようにできるカバーノートだ。文具王は意識していないのかもしれないが、「AccessNotebook」は、カバーノートを現代の使い方に合わせた面白い製品といえるのだろう。

このノートは、実際に使う立場で非常にこまかなところまで考えて作られている。佐久間さんの作った「ジブン手帳」にも同じ視点を感じる。

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コメント

きたきつねさん、

カバーノート議論、奥深いですね。

目的をメモ、思考ツール、アーカイブと分けると、それぞれに応じたカタチがありそうに思います。
ジブン手帖、スライドダイアリは、この意味で理解できるものです。
目的は異なりますが、使い方として、その先に、きたきつねさんが仰るカバーノートがあるのでしょう。

アクセスノートは、
自分にとっては、目的がわからず、ただ過剰な気がします。


投稿: かんてつ | 2013年7月27日 (土) 18時26分

かんてつさん

カバーノートは、保存や長期間の利用を前提に、専用の資料集とか教科書といった形に仕上げるノートです。ルーズリーフノートも同じように考えることができるかもしれません。

普通のノートは、カバーノートを仕上げるためのメモ帳なのです。

リングノートも同じ位置づけです。開き易いメモ帳です。

アクセスノートは、カバーノートと使うための練習帳という位置づけと考えています。

といっても、今は教科書や参考書、資料集がきちんと印刷されて提供されているので、学生の使うノートは、安くて沢山使えるという方向に変わってしまったということでしょう。

本当の大人が使うノートは、知の集積物として整理したカバーノートにいかなければいけないような気がします。

投稿: きたきつね | 2013年7月27日 (土) 17時46分

きたきつねさん、ちょさん、

書きコさせてもらって、考えると、カバーノートというジャンルは確かにあるように思います。
ハードカバーで多頁で、存在感がある、これが何よりです。
その意味で、安いハードカバーのリングノートに勝るものはない、と思います。

ノートは書き込むものですから、ノンブルなど印刷されていると使い方が制約されるようで窮屈です。必要ならジブンで振ればよい。

あえて言えば、梅棹さん推薦の京大式カードのような、情報の分解、組立容易なことが重要。

投稿: かんてつ | 2013年7月27日 (土) 17時32分

本の入手やコピーが容易・安価でなかった三十数年前の高校生の時、友人から借りたマイコンの本をノートに書き写したことを思い出しました。あれはルーズリーフだったかただのノートだったかは定かではありませんが・・・。今なら密林で検索→注文したり、コンビニでコピーしたりできるでしょうが。何やってたんだ>自分

投稿: ちょ | 2013年7月27日 (土) 13時50分

きたきつねさん、

考察、興味深かったです。
私なりにも考えさせられました。
”カ、カタ、カタチ”、、これはメタボリズムの建築家、菊竹請訓の言葉です。

アクセスーーは、悲しいかな、カタチだけ、、
文具王さん、
こんなことでは明治の学生にも笑われるよ。

参考までに注釈させてもらうと、佐久間さんの”ジブン手帖”は、この”カタ”が原点だと思う。

投稿: かんてつ | 2013年7月23日 (火) 21時56分

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