ISOT2015:売りたいものと買いたいもの
各社のブースをまわていて思うのは、企業の売りたいものと、ユーザーの買いたいものや価格が乖離しているものが多いことだ。
他のメーカーが売れているからという便乗型の商品はまだ、ユーザーが買いたいものなので、品質と価格で売れる可能性はある。
良い材料を使っているからと単純に積み上げで、価格を決めている例があるが、極めて限られたユーザーに絞っている場合以外は、いくら売りたくても買ってくれないだろう。
それよりもマーケッティングなしで、勘や思い込みで作られる商品ほど困ったものはない。リヒトラボの「プチとじ」や昨年のISOT2014でも出展していて今回も出展していたKOBARICの「紙折り定規」などは良い例かもしれない。
リヒトラボの「プチとじ」は、20枚までのコピー用紙に専用の穴あけ器でプラスチックのクリップを手で止めるものだ。これまでも類似のものが何種類も作られていて、市場から消えてしまっている。
例えば今は廃番のライオン事務器の「ファスナー PF-1P」のように一穴パンチや二穴パンチで30枚までのコピー用紙に空けた穴にプラスチックのクリップで止めるものだ。
「プチとじ」のように専用のパンチがなければ使えないようなものであれば、さらに利用に制限が出るだろう。
「紙折り定規」についていえば、1枚のA4の紙を三つ折するだけのために2,268円だして大きな場所を取る「紙折り定規」を買うだろうか。昨年は取り上げる気もしなかった。
以前、理想科学工業から連続してA4の紙を三つ折する機械「折り姫」というのがあったが、これも大きく売れること無く製造中止になっている。大量に書類を送る企業の場合は、クロネコメール便やゆうメールでA4サイズを折らずに送ることができる。
個別の手紙や連絡文書などは数が少ないし、A4の三つ折はそれほど難しいものではない。不器用で上手くできないければ、キングジムの三つ折ホールダー「オレッタ」に入れて折るという裏技もあるだろう。
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