ISOT2015:付せん紙
3MのPostItが粘着のあるメモパッドとしてアメリカで発売され、日本に入ってきてからは、日本の付せん紙(まれに不審紙)の文化と融合して、いまや本家の3Mも「ふせん」を商品名につかっているほどだ。
さらに、全面糊の粘着シートまでも付せん紙になってしまった。マスキングテープが、マスキングに使われないのにマスキングテープと呼ぶのと同じなのだろう。
付せん紙は、色や素材を変えたり、文字や絵を印刷したり、型抜きをしたりするといった安易なところで落ち着いているところが多い。それも売れているものの真似が横行している。結局、100円ショップの付せん紙との勝負に落ち込んでしまっている。
そんな中で、カンミ堂のココフセンシリーズやビバリーの「ココサス」といった工夫のある商品は少ない。ISOT2015では、カンミ堂の「ペントネ(PENTONE)」とヤマトの「チギル(CHIGIRU)」に注目した。
カンミ堂の「ペントネ」は、細くロール状に巻いたマイクロミシン目の入ったフィルム付せんを、ペンサイズの透明のシースに入れたもので、ペン立てに立てたり、筆入れに入れて持って歩けるものだ。シースは使い捨てではなく、リフィルが用意されている。
カンミ堂のふせんはオリジナリティが高く、他社が真似しにくいところが商品としての完成度が高いといえるだろう。
ヤマトの「チギル」は、発泡プラスチック板に5ミリ方眼のミシン目が入った50ミリ幅のフィルム付せんを巻きつけたものだ。薄いので筆入れやカバンのポケットにいれても邪魔にならない。
メモを書き込んで、自由なサイズや形に切り取って貼り付けて使えるという面白いアイデアの製品だと思う。小さく千切って日記やスケジュールのワンポイントにしたり、大きく千切ってインデックスにしたり
ただ、粘着剤がフィルムの裏全面に塗布されているので、セロテープなどと同じで、付せんの最初の部分を探して、剥がすのが難しいのが問題になると思う。セロテープと同じように、最初の部分を折り曲げておけばよいけれど、単価の高いフィルム付せんとしては、無駄は避けたいものだ。アイデアは良いのだけれど、商品としては発展途上で、今後の改良に期待したい。
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