uni PowerTankの替芯をPARKER互換リフィルに改造する
ずい分昔、初めてフィッシャーのスペースペンのリフィルを買った時に、PARKER互換リフィルにするためのプラスチックの部品が入っていて、いいなと思っていた。
その後、三菱鉛筆の加圧式ボールペンのパワータンク(PowerTank)が発売になった時に、PARKER互換リフィルにできるようにすればいいのにと思いながら、随分時間が経ってしまった。
ちょっと時間ができたので、パワータンクのレフィル(替芯 SJP-7)をPARKER互換リフィルにしてみようと思い立って、作ってみた。
写真は、上からオートの油性ボールペンのPARKER互換リフィル、真ん中がエバーシャープのアストロノーツペンのFisher互換レフィル、三菱鉛筆の金属軸のパワータンクのレフィル。
PARKER互換リフィルは国際規格としてISO 12757-2 G2で定められていて、全長98.1(+0.40 −0.35)、外径6(+0.1 -0.2)ペン先径2.54(+0.03 -0.04)となっている。カッコ内は公差。
オートのPARKER互換リフィルとパワータンクのレフィルの寸法を測ってみた。パワータンクのレフィルが、非常に微妙な寸法になっている。というのは、ノックのプラスチック部品に2 mmも食い込むことになる。
Fisherのリフィルは全長89 mmとPARKER互換リフィルにできるように考えたとしか思えない寸法になっているのが興味深い。
パワータンクのレフィルをPARKER互換リフィルにするためには、AとBの部分のパーツの加工が必要になるということになる。
Aの部分のパーツは、手持ちのボールペンの使用済みのレフィルを調べたところ、ジェットストリームの替芯(SXR)がちょうど良い寸法だった。
Bの部分のパーツは、使用済みのPARKER互換リフィルから取り外すことにした。
ジェットストリームの替芯の内径を3.2 mmにするために、ドリルでパイプの内径を広げて、8.2 mmに切断した。一気に内径を広げるのは無理なので、径の小さいドリルから順番に穴を広げた。
完成したAのパーツをパワータンクのレフィルに装着した。これでPARKER互換のボールペンのスプリングが使える。もしAの部品を作らないのであれば、スプリグを長いものにするか、短いスプリングを追加することでも良いだろう。
使用済みのPARKER互換リフィルの後ろのノック機構のついたパーツを外した。
この部分は、Bのパーツの中心を合わせて穴を開けなければいけないので、ミニ旋盤を使った。丁寧にやれば手でもできないことはないだろう。
問題は、パワータンクのレフィルの長さが2 mm長いので、穴の長さが、ノック機構に1 mmほど食い込むのが気になるところだ。
穴あけが完了して、Bのパーツをパワータンクのレフィルにつけてみた。仮止めの状態で、PARKER互換のボールペンに入れて見たが、問題なくノックができたので、固定することにした。
紫外線硬化樹脂(UVレジン)で、 パワータンクのレフィルにパーツBを固定した。UVレジンは、非常に便利で、接着力もあるので便利だ。
完成したPARKER互換のパワータンク。
メーカーにはそれぞれ戦略があるのだろうから、素人が外野からいうことでないと思うけれど、加圧ボールペンのように特殊なものは、販売を考えるとフィッシャーのボールペンの用に互換性を広く考えた企画が必要だったようだ。
金属軸のパワータンクのレフィルは、ボールペン本体が売られていないので、近い将来に消えるのかもしれないが、ヘビーデューティー用としては必要なのだろう。
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