国立歴史民俗博物館:企画展示「万年筆の生活誌ー筆記の近代ー」
佐倉市の国立歴史民俗博物館で開催中の企画展示「万年筆の生活誌ー筆記の近代ー」を見にいってきた。
日本における筆記具の変遷の歴史中で万年筆の普及とその果たした役割についての企画で、分かりやすく見せる展示となっていた。
万年筆マニアには物足りない展示かもしれない。
明治維新後、近代化の中で長期間使われてきた筆から、ペン、鉛筆に移行していくが、その中で特に万年筆が大きく普及した訳がわかったような気がした。
初期は輸入品の高価な筆記具だった万年筆が、日清日露の戦争を経過する中で、兵士が携行する筆記具として万年筆が国産化され普及していったようだ。
国産万年筆が海外にまで輸出されるようになったのは、伝統技術の轆轤の技術が貢献したのだろう。その後、蒔絵万年筆など工芸品としての輸出品ともなっている。
万年筆の機構、各種国産万年筆、インク類など多様な展示は、歴史民俗博物館らしい切り口の展示で見ていて飽きない。
万年筆を使った原稿、講義ノート、フィールドノートなどの展示も非常に興味深かった。特に、民俗学者の宮本常一さんの万年筆で細かな時で詳細に書かれたフィールドノートは、初めて見ることができて感動した。
会場の外のキッズルーム「たいけんれきはく」で、万年筆で満寿屋の一筆箋に実際に試し書きもできる。ミュージアムショップでは、企画展示オリジナルのパイロット万年筆のカクノやセーラー万年筆ハイエースネオが売っていた。
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