9号のステープラ用つづり針 続き
たいみちさんに貰った9号のステープラ用つづり針のサイズを計測してみた。
幅10.2 mm、針長6.0 mm、針厚0.60 mm、針幅0.70 mmだった。幅以外は3号針、海外の規格だと23/6針と同じだ。幅は10号針に近いけれど、やはり針のサイズが違っている。
9号針については、マックス株式会社のWebサイトにあるホッチキス物語の「日本とホッチキス」 の中に「昭和10年(1935年)頃には、向野事務器製作所(東京都大田区)の向野光雄社長は2号・3号・9号ホッチキスを設計し、製造していました。当時、スマートと言った場合3号をさし、ジョイントは2号、ホルダーは9号(昭和9年{1934年}発売)がそれぞれホッチキスの呼称でした。戦時中は、9号ホッチキスのみ軍服の補修用として軍より認められ、生産されていたとのことです。」という記述がある。
同じWebサイトの「ホッチキスの変遷」の中で戦後、マックスの前身の山田興業は「向野氏からホッチキスの製造技術を引継ぎ、終戦から半年後の昭和21年(1946年)には早くも「ヤマコースマート」(3号ホッチキス)の生産を開始しました。まもなく1号・2号・5号・9号などのホッチキスも手掛けるようになり‥‥」ということで、戦後の一時期9号のステープラーが作られていたようだ。
きたきつねは60年近くスープラーを見てきたが、9号針を使うステープラーを見たことがないから、9号針は、10号針を使うステープラーの普及と共に文房具の世界から淘汰されたのではないだろうか。
そのようなことを考えていた時に、似たサイズのステープルを見たことがあると思い出した。工具箱の中を探してみると、マックスのミニタッカーTG-M用の針がでてきた。
パッケージに808FCとあって、サイズを計測してみると幅9.75 mm、針長8.0 mm、針厚0.60 mm、針幅0.70 mmと、針長以外ほぼ同じサイズだった。
文房具の世界では消えた規格が、工具の世界で残っていたということになる。それもマックス株式会社が作っていた。
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