Post-it≒付箋紙
直ぐ気がついたのは、常用していた付箋として使うことだった。きたきつねは仕事で文書や印刷物の校正に付箋を使うことが多かったので、ポスト・イットを本来の使い方である粘着メモとしてではなく、迷わず裁断機で10mm、15mm幅位に切って付箋として使うことにしていた。
その頃使っていた付箋は、短辺を赤く染め、反対側にアラビア糊が塗ってある細長い白い紙だった。付箋は、現在と同じで書類や原稿の間違いや注意ポイントの部分に赤い部分が外に出るように貼って、修正文や注意書きを記入するためのもので、出版社や役所などではよく使われていた。文具店に普通に売っていた。
ポスト・イットは、糊付けてしまう付箋に比べて貼り剥がしが簡単にできるので、書類の修正が終われば外すことが簡単にできて非常に便利だった。
そこに目をつけた国内のメーカーが、弱粘着の粘着剤を使って付箋を作って発売し始め、一気に製造するメーカーが増えた。
当時、日本から3Mには幅の狭いポスト・イットを作るように要望があったと思うが、何故そんなものが必要なのか理解できなかったに違いない。それでも、少し遅れて3Mも幅の狭いポスト・イットふせんを発売することになった。
アメリカの3Mでは、紙製のポストイットに付箋タイプはなく、紙の付箋タイプは3Mジャパンだけのものだ。他のメーカーからポスト・イットの類似品は大量に作られており、Sticky noteという名称で流通している。
弱粘着の付箋は、現在では付箋という名称だけが残り、目印的な使い方をするようになっている。そうして、動物などの形をダイカットしたり、様々な柄を印刷したり、フィルムを使ったものなど多様な製品が売られるようになっている。
現在、古いタイプの付箋紙は粘着タイプの付箋紙に取って代わられて現在売られていない。ポスト・イットが日本の付箋紙を駆逐してしまったという非常にインパクトのある製品だったことになる。
それだけでなく、多様なデザインのマーカーに使うための付箋紙の変種を大量に生み出す元にもなっていることも忘れてはならないだろう。
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