プラス「オランテ」は現代の肥後守
プラスが2016年10月に発売した「オランテ」は折らないカッターという商品で、変な商品が出たものだと思っていた。もちろん必要性を感じ無かったので購入していない。
「オランテ」のプレスを見てみると「"折るのが怖い" "折った刃が飛びケガをしそう" "刃の処分に困る"・・・そんな従来のカッターにつきものの悩みを解消。カッターの刃は折って使うものという従来のイメージを覆す、新しいカッターの登場です」というコピーが書かれている。
カッターナーフは、刃を折ることで常に鋭利な先端が使えるという画期的なナイフとして1959年に発売されて以来60年近くなり普及して色々な職場や家庭の定番のナイフになっている。
でも刃を折らないということは、いくら刃が長持ちするといってもカッターとしては刃の交換が必要でコストパフォーマンスが悪いのではないかと考えてしまった。
確かにカッターの刃を折るのが怖いということで、安全に刃を折るためのオルファの「ポキステーション」や「安全刃折処理器ポキ」という道具が発売されていて、刃の処分もできるようになっているけれど、認知度が低いのは残念だ。
そんなことを考えていたけれど、家庭や学校、オフィスで他の人がカッターナイフを使っている場面を考えてみると、カッターナイフで紙を切るよりも鉛筆を削ったり、紐を切ったり、テープを切るなど普通のナイフのように使っている人が多いことに気がついた。
家庭や学校、オフィスでは、肥後守や切り出し小刀のような刃物がないから、カッターナイフが代替するようになってしまったということになる。
昔、鉛筆削りや工作に使っていた肥後守や切り出しナイフは、殺傷事件などがあって家庭や学校、オフィスから駆逐されてしまった。
それに代替するナイフとしてカッターナイフが使われるようになったということになる。
となると、普通のナイフであればカッターナイフの折れるという特徴がデメリットになってしまったということになる。カッターナイフは本来の使い方をすれば、錆びることはないはずだ。
だから「オランテ」はカッターナイフではなく肥後守や切り出しナイフだったのだ。先の鋭利なナイフだけれど、それよりも鉛筆削りや木材を削ったりするので刃が厚く、テープを切ったりするのでフッ素加工されたりしているのだ。
肥後守や切り出しナイフと同じ刃物であるはずの、カッターナイフが家庭や学校、オフィスで生き残れたのかは考えたこともなかった。調べて見る価値はあるようだ。
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