三菱鉛筆の「商品研究会/新製品発表会」
三菱鉛筆の「商品研究会/新製品発表会」の招待券を貰ったので有楽町駅前の東京交通会館に出かけてきた。
会場は沢山の人で溢れていた。きたきつねはビジネスとは関係ないので静かに一回りしてきた。
今回は、全く新しい技術を使った製品はなかったけれど、それぞれ特徴ある既存の製品を育てているなという印象を持った。ただキャラクターは売れるかも知れないが頼りすぎは良くない。
今年は、uni鉛筆が発売60周年記念ということで、22硬度のHi-uni鉛筆を缶ケースに入れた「ミッキーマウス90周年記念/ハイユニ アートセット」と数量限定の特製ダースケースに入った「ユニ 60周年記念鉛筆」が紹介されていた。
22硬度を全部順番に並べると「DISNY MICKYMOUSE90TH」という文字とミッキーマウスのシルエットが出てくる。
「ユニ 60周年記念鉛筆」は、ダースケースを優しい色の貼り箱にしたプレゼントに使いやすいデザインになっている。
消せるボールペンとしてパイロットのフリクシオンに対抗している「uni-ball R:E」シリーズに極細の0.38mmとツインタイプ「ユニボール R:E2」がが追加された。
0.38mmは、単なる細書できるというだけでなく、ボールペン製造技術の高さを示すシンボル的要素もあるのだろう。
軸の両端に赤×黒のペン先をセットしたツインタイプの「ユニボール R:E2」はどうなんだろう。きたきつねはデザインの収まりも含めて好きになれない。蛍光マーカーの「プロマーク ビュー」と同じ運命になるような気がしてならない。
滑らかインクのジェットストリームでは、「ジェットストリーム プライム」シリーズが回転繰り出し式、ノック式、多機能ペンと機能、カラーなどバリエーションを拡充している。ピュアモルトもジェットストリーム・シリーズに巻き込んでいくと良いのに。
事務用ボールペンから抜け出したパーソナルユースの筆記具としての定着が期待できそうだ。三菱鉛筆として、まだ高価格帯の商品の経験が足りないので、苦労するだろう。
何時も書いているのだけれど、強力なジェットストリーム・インクを武器にできるのだから、レフィルのバリエーションを増やして、世界中のボールペンの中を全てジェットストリームに替えるくらいの意気込みが必要だろう。
回転繰り出し式に使っているパーカータイプのレフィルはもっと強く売り出しても良いと思った。ISO規格に合わせているのだから、他社の軸への使用を強く出しても良いのではないか。
クルトガに0.7mmが追加されるということだ。クルトガはシャープペンシルの歴史の中で一つのエポックとなる技術だと考えている。
クルトガ・エンジンは、太い芯径の芯に適していると、発売当時から思っていたので、一歩進んだという印象だ。
日本では0.5mmよりも太いシャープペンシルはあまり売れないと考えられているので、0.9mmは夢なのだろう。一定数の需要はあって、ロングテール商品になるかもしれない。
海外では文字の画数が少ないためか、太い芯径のシャープペンシルを使う人が多いのだけれど、クルトガの描線の太さが一定になるというクルトガの特徴が好まれるかどうかは、判らない。
「ユニボール シグノ 307」と「ユニボール エア」のコーナーはどんどん小さくなってしまっていた。画期的な技術の非常に良い製品なのだけれど、店頭での売り方が難しい製品だと思っていたけれど、その通りになっているようだ。
発売当初は、新しいもの好きの文房具ライターが取り上げるので、話題になるのは瞬間でしかない。その短い期間に製品の良さが市場に定着するのは難しいことだ。
テレビや雑誌などのメディアに取り上げられても、認知度は信じられないくら得られていない。特に、テレビの視聴者は特別に興味を持っている人以外、相当インパクトが強くなければ流して見ているので見た程度の印象しか残っていないようだ。記憶していても、購買に至らないうちに忘れてしまう。
店頭に並んでから、沢山並んだ類似の製品の中からユーザーに選ばれるには、何か仕掛けが必要だろう。
三菱鉛筆の製品全体にいえることは、コストを考えているのか、統一感を保とうとしているのか、製品の外観のデザインがあまりにもつまらないし、力が入っていない。
まだプレス前なので写真撮影もできなかったのだけれど、uni鉛筆60週年を記念したデザインブランド「ポスタルコ」とのコラボ商品ボールペン「レイヤード」は、デザインが秀逸でこれは1本手元に置きたいと思った。発売が楽しみだ。
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