google.com, pub-7269144570220091, DIRECT, f08c47fec0942fa0 書籍:ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語: きたきつねの文房具日記

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2020年3月 9日 (月)

書籍:ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語

鉛筆愛好家でニューヨークで鉛筆専門店「cw pencil enterprise」を開いたキャロライン・ウィーバー(Caroline Weaver)さんの「ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語(THE PENCIL PERFECT)」が片桐晶さんの訳で2019年12月に発刊された。

黒鉛が発見されてそれが鉛筆として使われはじめ、現在までを時代を追ってそれぞれの時代のトピックを書いた本になる。

2章まではヨーロッパにおける鉛筆の製造に関するの話だけれど、3章からはアメリカの鉛筆とメーカーが中心になっていて、メーカーの興亡の話はなかなか興味深い。

4章からは20世紀にはいってのいろいろな鉛筆の話題で、イワコーのおもしろ消しゴムや北星鉛筆がでてくるのが良い。第5章で日本の鉛筆の話しがでてくるけれど、ドイツの鉛筆はサラリと触れるだけなのは不思議だった。

図版が全て鉛筆画なのも気合が入っている。

鉛筆の現状、作者が鉛筆の店を持つに至っった経緯、鉛筆のコレクションの仕方なども教えてくれている。

鉛筆についての歴史について27年前に日本で発行された「鉛筆と人間」の最新版ではなく、研究者ではなく愛好家の視点で書かれたものになる。

鉛筆に関してはヘンリー・ペトロスキーの「鉛筆と人間」がパーフェクトではないだろうか。今は絶版になっていて古書でしか手に入らないのが残念だ。

翻訳については、文房具に詳しい翻訳者はいなようで、研究書のようで非常に硬い感じで読み難いという印象がした。

一応参考文献もあるけれど、多くがWeb情報で、一次資料は少ないのが残念だ。Web情報は突然消えてしまって、参照できなくなる可能性があるので、参考文献としては信頼性は低いので、印刷された一次資料が重要になる。

ところどころに誤訳ではないけれど、「タイプライターのインクを吸い取る」とか「電動消しゴム機」とか気になるところがいくつかあった。

この本は、今年の3月31日に解散することになった日本鉛筆工業協同組合最後の企画として学研プラスとコラボして出版に取り組んだ本で、奥付に監修として名前を残している。

1912年に発足して118年の歴史にピリオドを打つ日本鉛筆工業協同組合は、解散後任意団体として活動は続けることになるとのことだ。

学童の減少、筆記具の多様化やパーソナルコンピュータの普及などで、昭和41年に約14億本をピークに鉛筆の生産量は減少になり、メーカーが28社にまで減ってしまったということで、組合を運営できなくなってしまったとらしい。

はじめに
第1章 16/17世紀
 グラファイト(黒鉛)の発見
 木軸鉛筆の登場
第2章 18世紀
 争いの果に生まれたものは…
 ファーバーカステル社の創設
 鉛筆の製造方法とは…
 消しゴムについて
第3章 19世紀
 アメリカ生まれの黒鉛
 ジョセフ・ディクソンの功績
 アメリカのものづくり、ドイツの遺産
 黒の色調
 鉛筆と万博
第4章 20世紀
 スイス品質
 消えない鉛筆
 材料の変換
 後端を飾るもの
 エレクトグラフィック・ペンシル
 注目を集めろ
 ファンシーっぽければそれでいい
 時代の終焉
第5章 21世紀
 日本の逸品
 ブラックウイングの復活
 国の宝
 ネット時代の鉛筆
 CWペンシル・エンタープライズ
 未来の必需品
 鉛筆を収集しようと思っているあなたへ
 鉛筆の旅の目的地
用語集
参考文献

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