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2020年9月 4日 (金)

ゼブラ:ウェットニー

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プレスリリースを見ていたらゼブラから加圧式油性ボールペン「ウェットニー」が発売されるというのを見つけた。

加圧式油性ボールペンはリフィル(替芯)の後ろから圧力をかけて、ボールペンの苦手な上向き筆記ができるようにしたものだ。 

これまでも加圧式油性ボールペンとしては、国産では三菱鉛筆「パワータンク」、トンボ鉛筆「エアプレス」、パイロット「ダウンフォース」、海外製品としてはアメリカのFISHER「SPACE PEN」が売られている。残りはぺんてるとOHTOになった。

三菱鉛筆の「パワータンク」とFISHERの「SPACE PEN」は気密性のあるリフィル内にガスを封入する方式で、水中や無重力空間、氷点下でも使える本格的な加圧式油性ボールペンになっている。

ゼブラの「ウェットニー」は、トンボ鉛筆「エアプレス」、パイロット「ダウンフォース」と同様にノックするたびにピストンがリフィルの空気を圧縮してインクを加圧する方式の簡易型加圧式油性ボールペンとなっている。

インクを加圧していることから、早書き、上向き筆記、濡れた紙への筆記が可能となっている。

「ウェットニー」の最大の特徴は、国産の加圧式油性ボールペンの中で唯一メタルボディーを採用しているところにある。それもプレスリリースによればMIL規格 (アメリカ国防総省制定の軍用品の規格)に準拠して、落下しても軸が壊れないというプロユースやアウトドアでの利用を強く意識した商品になっているところだ。

また、ペン上部に紐を付けることのできる通し穴があって、ネックストラップなどに取り付けることができるようになっている。

残念なのはリフィルがエアフィットなどに使われる普通のK-07なので、低温環境での筆記は難しいかもしれない。

発売前なので実物を見ていないのでプレスリリースの資料でしかわからないけれど、定価600円という価格とともに非常に意欲的な製品であることに間違いないだろう。

リフィルの中を後ろから加圧する方式はあくまでも簡易な方式であり、オフィスや家庭で壁のカレンダーに書き込もいしたりするには良いけれど、多様な環境のアウトドアでは確実に機能するのは難しいだろう

加圧式油性ボールペンは三菱鉛筆の「パワータンク」のリフィルがアウトドアで使えるものだと思うけれど、メーカーの商品の方向性がずれているので軸がアウトドアで使えるものが無いことが問題で、簡易型の加圧式油性ボールペンに負けてしまっている。三菱鉛筆が品質一流、デザイン三流なので、「ウェットニー」のような製品は作れないだろう。

参考までにこれまできたきつねの文房具日記で扱ってきた三菱鉛筆「パワータンク」、トンボ鉛筆「エアプレス」、パイロット「ダウンフォース」についての記事をまとめておきたい。

三菱鉛筆「パワータンク」
uni POWER TANK 0.5 2011年6月13日
三菱鉛筆「パワータンク スマート 0.7mm 細軸」 2013年8月 9日
Power Tankをアウトドア用にリールを付ける 2014年5月 6日
BONDICで加圧油性ボールペンパワータンクにストラップ穴を付ける 2016年3月 6日
uni POWER TANK Smartにストラップを付ける 2016年6月 9日
ユニ パワータンク スマートが壊れた 2017年5月22日
野外活動用のパワータンク 2019年10月28日

トンボ鉛筆 エアプレス
トンボ鉛筆「Air Press」 (1) 2008年4月 1日
トンボ鉛筆「Air Press」 (2) 2008年4月 2日

パイロット「ダウンフォース」
パイロット ダウンフォース 2011年6月29日

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