コクヨ:野帳
測量野帳(スケッチブック)と全く同じ規格で測量以外の分野で広く使われるようにカバーの色にバリエーションを広げた「野帳」を4月28日に発売した。
これまでも博物館やOEMで表紙に箔押しをしたり、OEMでオリジナルの色の表紙の測量野帳が発売されていたけれど、特注品ということで比較的高いものだった。
7、8年ほど前に測量野帳を日記やトラベラーズノートとして愛用する野帳ラーとかヤチョラーと称する人が出てきて、測量のデジタル化とあいまって、測量野帳がハンディーな手帳としてより広い範囲で使われるようになってきたことに対応したということなのだろう。
今回発売された「野帳」(セ-Y7)は、通常の「測量野帳」(セ-Y3)と同じ定番商品として買うことができるようになった。価格は、「野帳」(セ-Y7)が264円でこれまでの測量野帳(セ-Y3)が231円なので若干高めとなっているが、普及版の価格となっている。
それよりも、表紙の色がサルファーイエロー、グレイッシュブルー、ウォームホワイト、チャコールブラックのスタイリッシュな4色展開となっていて、より広い利用場面への活用が期待できるだろう。
従来の測量野帳と比較してみると、表紙の色だけでなく、ロゴがセリフのないゴチックになっている。
見返しの紙の色が、白からグレーに変わっている。
表紙の裏のバーコードのデザインも変更されている。
中紙は同じだけれど、方眼の印刷色が青からグレーに変わり、方眼が目立たなくなった。
厚さは同じで、中紙はこれまでと同じもののようだ。
野帳を普及版にするならば、方眼だけでなく、ドット入り罫線のノートと白紙のものも作ればよかったと思う。
測量野帳は発売以来60年のロングセラー商品で、土木、建築の工事現場で使われてきたことから全国どこででも手に入り、価格も手頃だし、作業服の胸ポケットに入る大きさ、表紙に厚みがあるので片手で持って書き込めるという便利さから測量以外の用途にも利用範囲は広くなっている。
測量野帳は、測量だけでなく、生物調査、遺跡発掘や民俗学など各種フィールドワークの現場で広く使われてきていて、より一般化したのはBe-Palでカマゲッチョ(盛口満)「カマゲッチョ先生のフィールドノート」で毎号に描いた花や昆虫の絵が測量野帳のスケッチブックに描いたものが掲載されていて、真似をする人たちが多くなってきた。さらにBe-Palでは2009年から「Backpackers Note」、「Traveler's Diary」やフィールドノートが付録としてついて人気の企画になっていた。
そのころから測量野帳が業務用ではなく野外活動の手帳としての活用が広がって来たのだろうと記憶している。先にも書いたように7、8年ほど前に野帳ブームが起きてエイ出版社から「測量野帳スタイルブック」(2016年)が発行されたりしていた。
きたきつねは野帳を使い始めて50年以上になっていて、今はバードウォッチングの記録のためにつかっている。きたきつねの文房具日記でも野帳に関する記事は20本以上になる。
ところで一時出現したヤチョラーは今どこにいってしまったのだだろうか。
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