ボールペンのインクの注入サービス
第2次世界大戦の戦後日本でボールペンが普及し始めたころ、ボールペンだけでなくリフィルも高かったので、文具店で空になったリフィルにインクを注入することがあった。
写真の装置は日本文具資料館に展示されていた国産のもので、写真左のタンクに入った油性インクを、右のハンドルを動かして圧力をかけてペンチップの先からインクを圧入するというものだ。
この装置は昭和27年から30年に使われたものらしい。インクの注入は1回10円で、当時の大卒公務員の初任給が7,650円だったから結構高かったようだ。
大きな文房具店にはこのようなインク注入装置を置いていたらしい。
国産ボールペンが発売されて、多く出回るようになってこのような装置は使われなくなったようだ。
こんな話も消えていくのだろう。
この装置興味を持ったのは、きたきつねが1994年にインドネシアに出張した時に、同じような装置をみたからだ。
当時滞在していた、インドネシアのバンドン市の街角で自転車に小さな箱を積んだひとがいて、見ていると時折お客が来ていて何かしてもらってお金を払っていた。
近づいて見ているとボールペンの空のリフィルにインクを注入する屋台だった。値段を聞くと1本日本円で8円位ということだった。
オフィスに帰って聞くとボールペンのリフィルは日本で買うのと同じ位の価格なので、高いのでボールが取れるまでインクを入れて使うということだった。
今にしてみれば記録に写真を撮っておけばよかったのにと反省している。
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