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2021年11月 3日 (水)

三菱鉛筆がボールペン用紙製リフィルの開発に成功

Mitsubisi_paper_refill

11月2日に三菱鉛筆が紙で構成されたインク収容管を用いたリフィル(替芯)の開発に世界で初めて成功したことを発表した。

紙を使うことでプラスチックの使用を約88%減らすことができたという。

開発には、日本製紙株式会社、株式会社昭和丸筒の紙と紙筒のメーカー協力を得たということだ。

今回のリフィルはジェットストリームを対象としているので、パイプの外径が4.4mm、内径2.4mmなので、この太さの紙筒をインクの溶剤が洩れないように作るのは非常に難しいと思う。

インクが浸透せず、溶剤の揮発成分が透過しないという筒の材料を紙で実現できたというのは、これまでの技術の蓄積があったからだと思う。

プレス資料によれば、「紙製リフィルは、3層の独自の開発紙と最外層のパーチメント紙にて構成したもので、全4層構造となっています」ということで、複雑な構造のようだ。

また、インク量が約1.6倍になったということは、内径が太くなっているということで、紙の筒の厚さが薄くなっていることにもなる。

ノック式のリフィルでは、ノックの力でリフィルが押し付けられるので、その力で紙筒が壊れないようにすることもできていることになる。

紙筒のため不透明になるので、インクの消費量が確認ができないというディメリットはあるけれど、不透明な軸や金属製のリフィルではインクの使用量が分からないし、プラスチック使用量の低減とのトレードオフなのだろう。

量産化には時間が必要だと思うけれど、発売されるのが楽しみだ。

ボールペンのリフィルに消費するプラスチックの量はそれほど多いとは思わないけれど、筆記具の地球環境負荷を低減した取り組みの成果として意味はあるだろう。

三菱鉛筆は、これまでも世界最小径のボールを使ったゲルボールペン、プラスチック軸のリフィルの加圧式ボールペンやクルトガ、セルロースナノファイバーを使ったボールペンなど先進的な技術を開発してきたのは、基礎技術に投資しているからだろう。

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