文房具の業界紙「クリップス」(2445号6月25日発行)に経産省の2021年の繊維・生活用品統計から筆記具類の生産販売状況を整理していて、なかなか興味ある内容になっている。
筆記具全体では、シャープペンシルの生産量とと修正テープの生産量・販売金額が微減以外、前年よりも増えている。修正液の生産量が増えているので、修正テープの減少は何か別要因があるかもしれない。
COVID-19の家籠もりの影響なのか画材の販売が増えていることも見えている。
ボールペンは生産量、販売金額ともに前年よりも顕著に増えている。ボールペンの生産量は17億5千7百万本で、そのうちゲルボールペンを含む水性ボールペンが84.2%で油性ボールペンが15.8%と、ゲルボールペンが主流になってきていることが明らかだ。
OKB48の最近の傾向からも水性ボールペンが優勢になっていることと同じ流れが見えている。
ゲルボールペンは、筆記の滑らかさや色のバリエーションの豊富さからみてもさらに増える予想ができる。
シャープペンシルで面白いのは、販売数量よりも販売額の増加が多いことで、販売単価が明らかに増えているようだ。中高生のシャープペン需要が中級品以上の商品に向かっていることの現れといえるのだろう。
単価を計算してみるとボールペン全体で43.4円、シャープペンは154円と明らかにシャープペンの方が高くなっていてることからも、中級品以上の商品が多めの傾向が読み取れるようだ。
ボールペンに関しても、油性ボールペンの単価が69.3円で、水性ボールペンの38.5円と比べると高めで、油性ボールペンの方が低価格の普及品の割合が減っているように見える。油性では多機能、多軸などの高めの商品が多いというイメージなのだろうか。
日本筆記具工業会総会で紹介されたデータということで、古い資料は政府統計ポータルサイトe-Statで年報を見ることができる。
「クリップス」は月3回発行なので、速報性があるだけでなく、統計情報、文具屋さんドットコムがWebで実施しているユーザーアンケート結果など有効な情報が多いような気がする。
COVID-19が蔓延するようになってから、Webで公開されているので、バックナンバーも読むことができる。
最近のコメント