ISOT2022:日本文具大賞「機能部門」
日本文具大賞「機能部門」の受賞商品できたきつねが気になったものをピックアップしてみる。
グランプリのレイメイ藤井「先生おすすめ 魔法のザラザラ下じき」は、表面がドットになっていて、文字を書く時にそのザラザラの感覚が手に伝わることで、文字の形と手の動きが一致して、イメージ通りに正しい文字が書けるというものらしい。
サイズはA4、B5が用意されている。ドットの大きさは幼児-小学生低学年向けが0.6mm、小学生低学年-中学生向けが0.3mmということだ。ドットのピッチは、不明だけれど、写真を見る限り小学生低学年-中学生向けで10mmに20ドットが配置されているようなので、0.5mmピッチのようだ。
強く筆記すると筆記線に凸凹が残る。それがこの下敷きの特徴ということになる。
この下敷きの開発者は発達障害児や肢体不自由児などの治療に携わってきた作業療法士の方ということだ。
最近の子供達は筆記圧が小さくなってきて、鉛筆の硬度がHBが使われなくなり2Bに変わってきていることと、関連性がありそうだ。
芯が2Bだと軽い力で書ける反面、筆記抵抗が少なすぎて筆記線が流れてしまいかっちりとした文字がかけなくなる傾向があるのは確かだ。
大人でも最近流行りの低粘度インクの油性ボールペンでも同様の字が汚くなる傾向が見られている。
かっちりとした文字を書くには、ある程度の筆圧が必要で、筆圧がない場合には紙にザラザラした状態をつくればいいという発想なのだろう。
この下敷きは、こども発達支援教材の開発・製造している東京都荒川区東日暮里の株式会社オフィスサニーが製造しているもので、オフィスサニーの運営している児童発達支援事業の「できるびより」というサイトでも販売されている。
きたきつねは、ボールペンを使うときには文字が流れないようにやわらかな下敷きを使っている。
優秀賞ではプラスの繰り出し式消しゴム「くるっと」が気になった。プラスチックのケースに入った幅広6角形状の消しゴムで、後ろの大きめのパーツを回すことで消しゴムを出し入れすることができるようになっている。
紙のシースの消しゴムは、小学校低学年の男子生徒だと直ぐにボロボロにしてしまうことが多いので、プラのしっかりしたケースと、繰り出すというギミックにしたということだろう。
消しゴムは詰め替え式で、専用のものが必要になる。定番商品とならずに替えの消しゴムが手に入らなくならなければいいけれど・・・。
もう一つの優秀賞の紀寺商事のオリジナルカラーのツインペンを作ることのできる「スキナイロイレテーナ」だけれど、これは「文房具屋さん大賞2021」の大賞に選ばれている呉竹の「からっぽペン」をツインにしただけではないのか。すでにダイソーに類似品も出現している。
これが優秀賞に選ばれるというのはどうなんだろう。新規性やオリジナリティーは不問でいいのだろうか。
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