LED照明の色温度
文房具などの写真を撮影する時に室内なので照明を使っていて、以前は昼白色の蛍光灯を使っていた。蛍光灯の光は自然光と違うので、ホワイトバランスはデジカメはホワイトバランスを自動調節できる機能(AWB)に頼っていた。
きちんとした撮影には自然光に近いスペクトルの高演色性蛍光管を使わなければいけないのだけれど、値段も高いしブログ用だからと使わずにいた。
そうこうしているうちに、寿命も長いし、消費電力の小さいLED照明器具が安く手に入るようになってきたので、取り替えることにして、ダイソーの蛍光管型のLEDに交換して使ってきた。
特に不便を感じていなかったけれど、簡易なカラーチャートを撮影してみると、カメラのオート・ホワイト・バランス(AWB)を使っていてもやはり色の再現性が悪いことがわかった。
調べてみると、LEDも光源によって色温度や光のスペクトル分布の違いがあって、照明器具の光の質を表す指標としてRaが使われていることが分かった。
Raというのは、平均演色評価数のことで、照明で物体を照らすときに、自然光(太陽光)が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す指標だ。
LEDは、光の三原色のLEDを使って色を調節しているので、同じ昼白色でも色温度とスペクトルによって違っているということになる。Ra100は、太陽光と同じということになる。
家庭用の一般的な蛍光灯のRaは60程度で、LED照明では、Ra85前後の値になるらしい。
高演色の蛍光管型のLEDは高価なので、探してみてRa98という電球型LEDがあったので使うことにした。
照明の色温度とスペクトルを測定できるiPhoneのアプリの「LightSpectrum Pro」を使ってきたきつねの使っている照明を図ってみた。
写真の左からRa98の電球型LED、ダイソーの蛍光管型LED、アイリスオーヤマのLEDのシーリングライトでいずれも昼白色となっている。
Ra98の電球型LEDは色温度約5000Kでスペクトルはピークが見られないが、蛍光管型LEDは色温度約5000Kだけれど、スペクトルはオレンジにピークが見られた。
シーリングライトは色温度が約6200Kと高めで、波長の長い部分にピークが見られた。
白紙を見た場合、人間の眼ではいずれも白く見えるけれど、実際には違っているので、カメラで撮影した時にはホワイトバランスは異なっている。
それよりも、スペクトルが均一ではなければ、色彩のバランスが崩れ色彩再現性が悪くなる。
簡易なカラーチャートをカメラのホワイトバランスを太陽光にして、同じ条件で照明の違いを撮影してみたところ、やはり異なった色彩となった。
白、灰色と赤を比べてみるとはっきりと分かる。
Ra98の電球型LED
蛍光管型LED
シーリングライト
無頓着に適当な照明を使って写真を撮っていたけれど、これから注意していかなければならないようだ。
思い出したけれど、フィルムカメラを使っている時にポジフィルム(リバーサルフィルム)に太陽光用のデイライトタイプ(色温度 5500K前後)とタングステンタイプ(色温度 3200K前後)のものがあって、撮影用電球にも色温度が違う2種類あった。
デジタルカメラと違い、フィルムではホワイトバランスを取ることができないので、フィルムと電球の色温度を合わせて使う必要があった。
ネガフィルムでは、照明によって色バランスが崩れたままで撮影されてしまうので、プリントする時に色調整していた。自動プリント機ができるまでは、人が色調整をしていた時期もある。
デジタルカメラでも光源によってホワイトバランスを調整できるようになっていて、普通は自動ホワイトバランス(AWB)で使えばいろいろな光源にホワイトバランスを合わせてくれるけれど、例えばホワイトバランスを太陽光に設定してで電球色の照明の場所で撮影すると全体にオレンジがかった色で撮影されることになる。
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