書籍・雑誌

2021年8月26日 (木)

ニコラス. A .バスベインズ:紙・二千年の歴史

マーク・カーランスキーの「紙の世界史」を読んで紙の歴史について自分の無知さ加減が分かったので、新たにニコラス. A .バスベインズの「紙・二千年の歴史」を読んでみることにした。

中国と日本の手漉きの紙作りの旅から始まる紙の歴史については短いけれどポイントを押さえた記述になっている。

アイオワ大に手漉きの工房があって、フェルトを使った西洋の紙作りと日本のネリを使った和紙作りを学べることは知らなかった。アメリカの奥深さを知ることになる。

第二次世界大戦の時の日本の秘密兵器の風船爆弾についての記述が意外と詳しいのが興味深い。

全体的には著者がアメリカ人なので、ヨーロッパからアメリカに製紙技術が渡り、巨大産業に移っていく過程が詳細に書かれている。

紙の用途別の歴史に重点を置いていて、記録する紙だけでなく、生活に必要な紙などあらゆる紙についてにまつわる色々なエピソードが埋め込まれているのも嬉しい。

一気に紙に関する知識が増えてしまった。

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2021年8月 6日 (金)

マーク・カーランスキー:紙の世界史(PAPER : PAGING THROUGH HISTORY)

書名を見てそういえば日本の紙の歴史については読んだことがあるけれど、世界の紙の歴史はよく知らないなと思い読んでみることにした。

紙については世界の四大発明の一つで、中国の後漢の蔡倫が発明改良したということ、日本の和紙、パピルス、羊皮紙、木材チップから作られる紙のことなどは知っているが、技術の変遷を歴史としてのつながりとして考えたことはなかった。

最初にひとが物事を記録することの必要性から生み出されてきた粘土板とスタイラス、パピルスにペン、木片や竹に筆、羊皮紙にペン、紙に筆とペンの歴史から説き起こされる。
中国での文字の発達と紙の発明と普及、イスラムへの製紙技術の伝搬、イスラムを通してルネサンス期のヨーロッパへ、そしてアメリカへと伝搬される技術、もう一つの流れとして中国から日本へのへの製紙技術の伝播と進化が克明に記されている。

一番驚いたことは、イスラムやヨーロッパで木材パルプの製造方法が使われるまで19世紀まで製紙原料の主たるものがボロ布だったということだ。原料が極度に足りなくなって死体から剥がすことまで行われていたというのも驚きだ。

製紙技術はリネンや綿のボロ布や切れ端を効率良く叩き潰し、紙に漉くことに注がれていやようだ。

アメリカの公文書や大学の学院論文は、木材パルプの紙ではなくコトンペーパーを要求されるのは歴史なのかもしれない。

早くからアジアでは木質の紙が作られていたが、ヨーロッパで木質パルプに至るのは、18世紀にスズメバチの巣に着目されてからで、クラフトパルプが使われるにはまだ一世紀ほどが必要だった。

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2020年12月11日 (金)

漫勉neo:惣領冬実

Manben_neo

12月10日放送の漫勉neoの第6回は歴史大作「チェーザレ」に打ち込んでいる惣領冬実さん。

ルネッサンスを克明に描いている「チェーザレ」は本場イタリアで高い評価を受けているらしい。

ネームを作らずに、直接シャープペンシルで下描きして、付けペンは一切使わずにミリペンで仕上げていく独特の描き方だ。

机の上にライトテーブルを斜めに置いてその上で作画している。

下描き
 シャープペンシル パイロット S3 透明ブラック 0.3mm HPS-30R-TB3
 ラバーのグリップを付ている。

描線
 サクラクレパス ピグマ 0.03、0.05、0.1 の3種
 ピグマを使い込んでカスレてきたものを3段階に分けて使い分けしている。
 カスレの度合い「弱・中・強」をペン軸に色テープを貼って識別している。カスレ度弱は新品。
 ミリペンのカスレ度を使い分けて非常に微妙な線を作っている。
 ピグマのカスレ度の強い(使い込んだ)ものの描線は消しゴムで消えるので、微妙なグラディエーションを作るのに使っている。線の繊細さが出でている。

消しゴム メーカー不明

ホワイトは使わない。
 ホワイトを使うと上に載せる線が太くなってしまうということだ。

カッター
 アートカッター NTカッター デザインナイフベーシック 「D-400」

スタジオにスタッフが4人 背景、テクスチャ−、自然物、トーン担当。

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2020年10月 9日 (金)

日経WOMANの付録のオリジナル万年筆

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日経WOMAN11月号にリサ・ラーソンとコラボしたオリジナルの万年筆とおそろいの柄のノートが付録になっていた。

これまで日経WOMANでは2016年11月号にオリジナル万年筆、2017年11月号にAfternoon Teaとコラボの万年筆、2019年11月号にムーミンとコラボの万年筆が付録になっていている。

今回コラボしているリサ・ラーソン(LISA LARSON)はスウェーデンの陶芸家で、コケティッシュな動物や、素朴で温かみのある表情豊かなフィギュアなどのデザインをしている。

軸はステンレス首で軸ABS樹脂でペン先はスチールで細字だ。ペンポイントにインジウムが使われているようだ。

カートリッジは、ヨーロッパ標準規格なので、ダイソーでも入手できる。お勧めはOHTOのカートリッジで、ブルーブラックしか無いけれど6本入り220円だ。

生産は中国の同じメーカーでこれまでの付録の万年筆の中で一番品質がいい感じがする。

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2020年10月 6日 (火)

雑誌の付録に付いた万年筆のまとめ

きたきつねはB級万年筆を集めていて、その中に雑誌の付録になっていた万年筆がある。それほど数はないかと思っていたけれど、整理すると25本もあった。

一時期集中的に万年筆が付録になっていたことが分かる。

ラピタ6月号(2006年5月 9日)
ラピタの付録(2007年12月11日)
ラピタのホワイト万年筆(2008年9月 9日)
隔週刊の「万年筆コレクション」(2009年6月17日)
日経ビジネスアソシエの付録(2011年10月20日)
サライオリジナル萬年筆「SERAI」(2012年4月12日)
DIME5月号の付録の万年筆(2013年3月25日)
MonoMaxの付録のアニエスベーボヤージュ万年筆(2013年9月15日)
サライの特製万年筆(2014年10月11日)
DIME✕BEAMSコラボ万年筆(2015年5月19日)
アニスベーボヤージュのプレミアム万年筆(2015年9月11日)
日経ビジネス「アソシエ」の付録の万年筆(2015年10月16日)
日経トレンディーの付録の万年筆(2015年12月10日)
日経トレンディーの付録の万年筆(2017年1月 8日 )
DIMEの特別付録の万年筆(2017年5月16日)
ゲットナビの付録の万年筆(2017年9月25日)
日経ウーマンの付録のオリジナル万年筆(2017年10月14日)
日経トレンディ2018年1月号の付録の特製万年筆(2017年12月 5日)
サライ2018年1月号の付録の太軸万年筆(2017年12月 9日)
MonoMax創刊10周年記念号特別付録のCOACH万年筆&ボールペン(2017年12月10日)
サライ2018年10月号の付録の若冲レッドの太軸万年筆(2018年9月10日)
MonoMaster創刊【特別付録】アクアスキュータム高級万年筆&ノート(2018年9月25日 (火))
DIME2019年1月号の【特別付録】DIME×ゴルゴ13万年筆(2018年11月17日)
プラチナ万年筆 100th ANNIVERSARY BOOK (ブランドブック)(2019年12月19日)
サライ:雪舟ブラックの太軸万年筆(2020年2月12日)

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2020年10月 2日 (金)

文具知識能力検定問題集IX

Bunken8 文具知識能力検定問題集は、東京ビックサイトで夏に開催されるISOTの会場で新版が頒布されるのだけれど、今年は新型コロナ感染症対応でISOTが中止になってしまったので、今回は通販で入手することになってしまった。大阪で開催されたISOT会場では売っていたようだ。

文具知識能力検定問題集は、文具屋さんドットコムなど文具の業界紙のグループが主催している文具知識能力検定に対応した問題集で、文具業界の関係者や文房具ファンなどの文房具の基礎、歴史、新製品などについての知識を確認・理解するための資料だ。

最新の問題集IXは、文房具の基礎知識から新製品までを網羅した5ジャンル130問の問題が掲載されていた。解答は一部記入問題があるけれど大部分が四者択一になっている。

早速解いてみたけれど、難しい問題もあるし、知らない新製品もあって、意外と苦戦した。最近、見本市が中止になり、文具店を回ることを自粛しているので、特に新製品の情報がわからないのが響いたようだ。

正解と解説は、いつも内容をメーカーに確認しているので正確な内容になっているので、解説を読むだけでも勉強になる。

最後にテプラやジャポニカ学習帳などロングセラー商品に関するコラムも掲載されていた。きたきつねには既知のものばかりだけれど、内容がよく整理されていて参考になるだろう。

きたきつねは全巻持っているけれど、1集から5集までは絶版になっていて、5集から今回の9集までは、通販で購入できる

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2020年6月14日 (日)

ボールペンのノック式について

Parker_jotter

SNSの文房具好きのグループで「ロック式ボールペン」という書き込みがあった。「ロック式ボールペン」という言葉は寡聞にして知らないけれど、多分ノック式を聞き間違えて覚えてしまったのではないかと思う。

ところで、ノック式というのは誰が名称を付けたのだろうかと思い始めた。

ノック式というのは、何の疑問もなく使っていたけれど、ノック式というのは英語としておかしいのではないかとも思い始めた。

knockという語は、強い力で打つという意味で、knock outとかknock downのように使われる。したがってボールペンの後端のボタンを押し込むのをノックというのは間違っている。

英語では、Retractable Ballpoint Penと使われるのが一般的のようだ。国産のボールペンも海外ではRetractable Ballpoint Penとしていて、品番にもRTの記号を使ったりしている。

中国語では「按压式签字笔」でプッシュ式ボールペンで、こちらの方が正しいような気がする。

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2020年4月30日 (木)

GYÖRGY MOLDOVA"BALLPOINT"

AmazonでGYÖRGY MOLDOVA"BALLPOINT A Tale of Genius and Grit, Perilous Times, and The Innovation That Changed The Way We Write"を見つけて、ちょっと面白そうと思い注文したことを忘れていた本が今週届いた。

読み始めたところ現在無くてはならない筆記具となっているボールペンの開発の話だったけれど、期待していた技術的な内容ではなく、ボールペンの開発に関わったハンガリー人のLászló BíróとAndor Goyのボールペン開発の過程における苦労の物語だった。

ボールペンのアイデアは1888年にアメリカで特許が申請されてから、何件もの特許が出されているけれどいずれも商品として完成していなかった。

ユダヤ系ハンガリー人のLászló Bíróは、車に弾かれた石が水たまりを通り抜けて道路に水の跡をつけたのを見てボールペンの原理を思いついたらしい。

Bíróは液体のインクでは漏れたり、きちんと書けないことから、インクに粘性を持たせることを思いついた。ここに現在の油性ボールペンが誕生することになる。

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2020年3月30日 (月)

ヘンリー・ペトロスキー「鉛筆と人間」

The_pencil キャロライン・ウィーバーの「ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語」を読んでいて、27年前に出版されたヘンリー・ペトロスキーの「鉛筆と人間」のことが出てきたので、書棚から探してきた。

読み直してみると、やはり「ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語」は「鉛筆と人間」に幅広く依拠しているものだと思う。

「鉛筆と人間」はすでに絶版になっていて古書でしか手に入らないけれど、鉛筆の歴史を記述した書籍としてはこの本に勝るものはないようだ。

この本があまり有名にならなかったのは、邦題の「鉛筆と人間」が良くなかったのではないだろうか。

元の書名はHenry Petroski「THE PENCIL -A Histry of Design and Circumstance」となっていて、「鉛筆と人間」とすると文化史的な印象が強すぎてしまったようだ。

鉛筆の芯の原料であるgraphite(グラファイト)を「黒鉛」ではなく正式に「石墨」と訳しているところが、学術書らしい。

実際、以下に示す目次を見てみると技術的内容が多いことがよく分かる。原本はAmazon.comでKindle版が手に入る。

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2020年3月 9日 (月)

書籍:ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語

鉛筆愛好家でニューヨークで鉛筆専門店「cw pencil enterprise」を開いたキャロライン・ウィーバー(Caroline Weaver)さんの「ザ・ペンシル・パーフェクト 文化の象徴”鉛筆”の知られざる物語(THE PENCIL PERFECT)」が片桐晶さんの訳で2019年12月に発刊された。

黒鉛が発見されてそれが鉛筆として使われはじめ、現在までを時代を追ってそれぞれの時代のトピックを書いた本になる。

2章まではヨーロッパにおける鉛筆の製造に関するの話だけれど、3章からはアメリカの鉛筆とメーカーが中心になっていて、メーカーの興亡の話はなかなか興味深い。

4章からは20世紀にはいってのいろいろな鉛筆の話題で、イワコーのおもしろ消しゴムや北星鉛筆がでてくるのが良い。第5章で日本の鉛筆の話しがでてくるけれど、ドイツの鉛筆はサラリと触れるだけなのは不思議だった。

図版が全て鉛筆画なのも気合が入っている。

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