職場に電話で金融商品、先物取り引き、ワンルームマンションなどの売り込みの電話が来る。だいたい金儲けに興味がないので、即座に断っている。普通は、若い人が多くてノルマで苦労して電話しているようで、断ると直ぐに引き下がることが多い。
どこかで手に入れた名簿で電話をかけているのだろうけれど、毎日朝から電話をかけ続けるという仕事も辛いだろうと思う。また、そのような職業にしかつけないという就職環境の悪さもあるのだろう。可哀想に思うが、興味のないものは興味がないのだから仕方がない。
ところが、今日の電話の相手はプロだった。切っても切ってもかけてきて、失礼だとか常識がないとかといってこちらを挑発して、挑発に乗ると、脅し、すかしと自分のペースに巻き込んできた。これが実に巧妙で感心してしまった。
物を売っているのではないといいながら、何を売りたいのかはっきりといわないで、元手がなくても儲かるという話しをする。「元手がなくても儲かる」というならという貧乏人根性が少しでもあるとそこを巧妙に突く訳だ。詳しい話は会ってするということで、約束を取り付けるともう赤子の手をひねるようなもので催眠術に懸かったように契約書にサインさせられてしまうだろうなと感じた。
一時間でも二時間でも話を続けそうだったので、なんとか断った。でも、電話を切らせないようにする方法も、上手いもので実に素晴らしい話術といえる。一種の催眠か洗脳といった効果を訓練したのだろう。
電話を終えて感じたのは、業者の会社名と相手の名前を聞いているが、最初から断るつもりなのではっきりと覚えていないし、住所も電話番号も全く判らないのに、向こうはこちらの電話番号、自宅の住所等の情報を握っているという恐ろしい状況にあることだった。脅迫されても犯人不祥で被害届を出すしかない。ナンバーディスプレーがあっても非通知にされてしまえば電話番号を知ることもできない。
小さな子供のいる家だったら、自宅に行くといわれれば気味が悪いし、話を聞くことになるかもしれない。訪販法の改正で一度断られたら、再度勧誘の電話をかけられないことになっているが、相手が特定できなければ防ぐのは難しいだろう。電話の内容をテープで録音するくらいしか自営の手段がないのではないだろうか。
偶然、NHKのクローズアップ現代で「急増・新型金融商品トラブル」という番組をやっていたが、人は欲があるのでつい騙されるのかもしれないけれど、今回の経験で言葉巧みに洗脳されるとお金がなくてもふらふらとからめ取られてしまう可能性は大いにある。
非常に貴重な経験をしたが、今度電話勧誘が来たらしっかり会社名と相手の名前、日付け時間くらいは記録しておこうと思った。
最近のコメント