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2004/04/02

新入学はわくわく

四月といえばピカピカの一年生が誕生する新学期でもある。いくつになっても希望に胸をふくらませて学校に行ったことを思いだす。

小学校といえば思い出すことがある。きたきつねは、普通の子供でそれほど成績が悪いという訳ではなかったが、小学校でどうにもならないことがあった。それは「右」と「左」が判らないことだった。左右は、普通は小学校に入る前に分かっているはずなのに、どこかで引っ掛かったのかもしれない。

「右向け右」、「左向け左」などのある体育などは、回りの真似をするのだが、非常に苦痛だった。もっと悲しいのは、一人で右手をあげろとかいわれた時だった。「箸を持つ方」、「茶わんを持つ方」などといわれると、もう混乱してしまい、どうにもならなかった。

小学五年生まで左右が判らないままでいた。当たり前だと思うが、きたきつねの悩みは誰も理解してもらえなかった。小学五年生の時に道内の僻地校から来たU先生に担任が代わった。非常によい先生で、クラスの一人一人のことをよく見ていて、家庭の事情なども把握しながら指導してくれた。

そんな先生の様子は、子供でもはっきりと判ったので、ある日私の悩みを打ち明けにいった。先生は「そうか大変だったな」といってくた。大人が始めて私の悩みを理解してくれた。次の日学校に行って黒板の上を見ると、手の形に切った模造紙に「右」、「左」と書いて貼ってあった。先生はニコリと笑って私を見た。

それからは学校に行くのが楽しくなった。困った時は黒板の上を見るだけでいいので、気分よく勉強に集中することができた。そうするうちに、いつの間にか「左右問題」は解決していた。でも、大きくなってからも「フレミングの右手の法則」といった問題の時には逡巡することがあったが、気になるほどの事はなくなった。

U先生は、卒業するまで担任で、生徒一人一人の問題を解決してくれた。小中高の九年間で、心の中に残っているたった三人の先生の一人がU先生だ。同級生も同じ思いで、結束も固く、一時中断した時期はあったが、小学校のクラス会が続いていた。故郷を離れてしまったので今はどうなっているのだろう。

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