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2004/06/23

桃太郎の世界

 気がつかないうちに夏至が過ぎていた。台風で中国地方で桃が落果しているテレビの映像を見て思い出した。
 昔話の桃太郎に出てくるおじいさんが山に柴刈りに行くのだけれど、おじいさんは刈った柴を何につかったのだろうか。私がこれまで何人ものひとに柴の使い道を聞いたけれど、正確に答えることができたのは五人に満たなかった。
 多くのひとは薪に使うと答えている。絵本でもおじいさんは短く切った柴を背負っているのが普通のようだ。
 話しの内容を思い出すと、おばあさんが川で洗濯していると、大きな桃が流れてくるのだから、7月頃の風景だろう。夏の木の枝は、乾いていないので薪にするのは無理だ。では、柴とは何だろう。
 実は、葉のついたままの小枝を刈り取ってきて、それを水田の中に投げ入れて肥料にするのだ。地方によっては「刈り敷き」といったりする。それと、昔の水田は、湿田といって何時も水がある湿地で、泥が深い場所を使った。だから、人が中に入るとずぶずぶと膝までもぐってしまったり、腰までもぐったりすることもあった。
 そこで、投げ込んだ柴が足掛かりにもなったのだ。弥生の遺跡から田下駄という、水田で作業するための下駄が出土するが、田下駄は戦後まで湿田で実際に使われていたのだ。
 葉と木の皮が腐って肥料になった後、枝を取り出して乾かせて薪につかった。全く無駄がない。
 昔話もこのように読んでみると、昔の生活が見えてきて面白い。

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