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2004/06/28

ナタネ油

 昨日、「キャノーラ」のことを書いていてナタネ油のことを思い出した。なんだか尻取りの感じになってきた。
 キャノーラはナタネの一つの品種だけれど、画期的な品種なのだ。ナタネ油には、エルシン酸とグルコシノレートという人に有害な成分が含まれているのだけれど、その両方の成分ができないように品種改良したものがキャノーラだ。日本でもエルシン酸を少なくした品種はあるが、グルコシノレートは取り除けていない。といってもナタネ油をコップで飲むひとはいないだろし、ドレッシングやテンプラで食べる量は問題になるほどでもないだろ。
 では、なぜ有害性分を含んだナタネ油が食用油として使われてきたのかということが疑問になる。ナタネ油は昔から照明用の灯油として使われてきて、食用にはゴマ、エゴマ、米などの油が使われてきたようだ。灯油というと、灯油ストーブの石油系の灯油を想像するだろう。でも、照明器具が行灯などの時にはナタネ油や魚油が使われていて、ランプが使われるようになって石油系の灯油が使われるようになり、さらに燃料として使われるようになったということだ。灯油は「灯芯油」の略ではないだろうか。閑話休題
 実はナタネ油は、戦前は重要な軍事物資として世界各地で大量に栽培されていて、備蓄されていた。それが、戦後に食用油が不足していたので大量に民間に放出されたのだろう。その結果、食用油として定着したのではないだろうか。また、ナタネの栽培は行われていたのだから、供給もできただろう。
 実際、戦後は、コロッケなどの揚げ物に豚の油のラードやウシの油のヘッドだけでなく、闇市では機械油も揚げ油に使われていたと聞いたことがあるほど、食用油脂が不足していたらしい。そういえば学校給食でバターの代用のマーガリンが出てきたが、これもナタネ油から作ったのだろう。そういえば、昭和30年代の子供の頃おふくろが「白絞油が手に入ったから、今日はテンプラにしよう」といっていたのを思い出した。
 ナタネ油は軍事物資として、何に使われていたかというと、ナタネ油の特長である「高温過熱に耐え、こしが強く劣化しにくい」という性質と関係がある。ナタネ油は大砲などの砲身の焼き入れに使われていたということである。兵器を大量に作ろうとするとナタネ油が大量に必要だったということだ。
 このように、無農薬、有機肥料で栽培したナタネか作った植物油だから絶対安全だということはいえないのかもしれない。

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