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2004/09/12

ザ・ビックイヤー

040912.jpg今日の午前中は、探鳥会のお世話で、農業用のため池を中心にした公園と、周辺の水田、畑、屋敷林を歩いた。気温が高く、少し歩くと汗がでてきた。池にはバンの雛と秋の渡りの途中のハシビロガモが一緒にいるという、夏と秋の狭間の中途半途な季節だ。

途中の農家でゴマを干していた。それほど沢山ないので、自家用か直売所にだすのだろうか。他に、瓜、大豆、さつまいも、里いも、栗などを作っている。自給自足か地産地消で暮らせるのがいいのだが、なかなか難しい。

バードウォッチャーの間で話題のノンフィクション「The Big Year」を読み終わった。400頁の本だが、トゥイッチャーの端くれとしては、三人の主人公に共感しながら一気に読んでしまった。それにしても、一年間にアメリカ国内で見た鳥の種類を競う「The Big Year」という競技会で一位になるということの過酷さ、とても真似できるものではない。

年間数万ドルも使い、全米を飛行機で飛び、時にはヘリコプターまでチャーターしてまで鳥を見るというのは、普通の人には理解できないだろう。日本にくれば簡単に見ることのできる極東の鳥を見るために、夏でも雪の降るアリューシャン列島のアッツ島に5週間も滞在する人が沢山いるのだ。外洋の鳥を見るために5,000ドルのツアーが行われている。

それもアメリカの図鑑に載っていない100種以上の鳥を含めて、一年間に745種の鳥を見るということが、とんでもないことだということも、普通の人には判らないだろう。ノーマルなバードウォッチャーは、20年も鳥を観てもこの半分くらいしか見ることはできないだろう。珍しい鳥は、情報がある場所に行ったとしても、確実に見ることの保障はない。さらに、20年前に一度しか記録がない珍しい鳥を見ることは、もう不可能に近いことだ。

もう一つ一般の人に理解できないのは、記録された鳥の種数は自己申告によるということだろう。嘘をついても誰も判らない。でもバードウォッチャーは嘘をついても意味がないことを知っている。だって、バードウォッチングは自己満足の趣味だからだ。

それにしてもスピルバーグが映画化するらしいけれど、日本では見る人がどれだけいるだろうか。フランス映画の「WATARIDORI」もマニアには非常に受けたが、興行成績はふるわなかったのではなかったではないだろうか。

翻訳者の朝倉和子さんは、バードウォッチャーなのかどうか非常に気になった。バードウォッチャーでないとすれば、なかなかの翻訳者だ。


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