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2005/05/13

絶対安全な食品

先日、あるところで『「絶対安全な食品」が食べたい』といわれて絶句した。普通に食べていて「安全と考えられる食品」はあるけれど、「絶対安全な食品」がこの世の中にあるのだろうか。どのように作られた食品も突き詰めて行けば、何らかのリスクは出てくる。それと、アレルギーを考えても、万人にとって「安全な食品」は存在しないのではないかろうか。

日常食べている食品が「安全と考えられる食品」としても、同じものばかり毎日食べたり、大量に摂取すると害がでることもある。ニンニクが健康にいいからと、毎日大量に摂取し続けた人が口内炎、口唇炎、舌炎、皮膚病などになったという話もある。きたきつねがイクラを絶対食べなくなったのは、子供の時に一度に大量に食べて、具合が悪くなっって七転八倒の苦しみを経験したためだ。それをもって、新鮮なイクラが「安全ではない食品」とすることはできないだろう。

昔から人々は色々な食品を工夫して、食べ過ぎないように、害となる作用を打ち消すような経験的に組み合わせて食べてきてたはずだ。

有機農産物だから、減農薬農産物だからといって「安全な食品」といえるかどうかも、同じだと思う。肥料に使う堆肥の素になる家畜のふん尿、それを出す家畜まで追跡すると、色々な問題が出てくるだろう。エサの黴毒による汚染、病気の治療に使った薬剤、ワクチンなど完全に排除できるかどうかといえば不可能だろう。害虫や病気にアタックされた植物は、自分を守るために殺虫、殺菌成分を作り出すことがあるけれど、それが人にとって「完全に無害」なのかどうかはわからないだろう。例えば、ジャガイモの芽の部分にはソラニンという毒ができて、人にも有害だ。

『絶対に安全な食品』はなくても、人類は地球を食い潰しかねないほど繁栄してきているわけで、それはリスクを避ける工夫をして、賢い食べ方をしてきたからだろう。猛毒のベニテングダケを食べる地域があるということを聞いたことがあるけれど、何か工夫しているのだろう。

自ら考えることなく何にでも『絶対安全』を周囲に求めるのは、やはりおかしいと思う。

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コメント

日本人は特に安全とか清潔に過剰みたいですね。
抗菌グッズがこんなに氾濫しているのは地球上でも日本だけ見たいですし…。
空気中にも細菌がいるのに「無菌じゃなきゃダメ」と言う人がいるそうです。
ただ、専門家に言わせると「じゃ、口を閉じて窒息したほうがいい」と言っていたのには笑いました。
安全。安全。と言っても安全なのかどうか自己判断できる能力が一番大切なのでは無いかなと思います。
ちなみに僕はきたきつねさんのイクラと同じようにチキンナゲットが食べられなくなりました。

投稿: たぬきさん | 2005/05/14 22:53

たぬきさん

人の体全体、内も外も細菌が一杯です。だいたい大腸菌というのは大腸に住んでいる菌ですし。乳酸菌も外から入ってきたものです。皮膚の上には雑菌がうようよです。

あまり殺菌しずぎると、自分が死んでしまったりして?本当に不思議です。

そうそう、東南アジアでA型肝炎になる日本人が多いそうです。きたきつねのように子供の頃にくみ取り式便所で育ったひとは、子供の頃にA型肝炎にかかっていて免疫があるので、ひどくならないそうです。子供の頃にかかると、はしかと同じように、風邪でお腹を壊した程度で軽く済むようです。免疫のない大人がかかると劇症性肝炎になったりして大変なようです。

清潔もほどほどですね。

投稿: きたきつね | 2005/05/17 23:37

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