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2005/10/13

遅い移動

051013昨夜からなんだか慌ただしくなってきて、午前中は連絡、午後は外回りと忙しかった。夕方、来客と懇親会だったので、8時過ぎ特急「はくたか」で越後湯沢、新幹線で一路東京へ。2時間19分で東京着。

つくば線の高速バスは、座って帰ることができるというので半分以上の席が埋まった。TXができる前の金曜日の夜は、臨時バスがでることもあったけれど、随分乗客が減っている。

知り合いの酔っぱらいと一緒になってしまったけれど、ぐっすり寝ている間に到着した。停留場が増えて、便利になった。

佐藤洋一郎さんの「イネどんな植物か コメ再考」(三一新書)を借りて読み始めたらとても面白くて一気に読んでしまった。佐藤洋一郎さんは、今は総合地球環境学研究所教授だけれど、この本を書いた当時は静岡大学にいて、栽培植物の起源と伝播特にイネの起源について面白い仕事をされているようだ。

コメに関する植物学や考古学など色々な面からの話が沢山詰まっている。中でもジャポニカとインディカの話が面白かった。私もインディカは長粒種でジャポニカは短粒種と思いこんでいたが、インディカにも短粒があるし、ジャポニカにも長粒があるので形態だけでは決まらないらしい。ジャポニカとインディカは同じイネ科だけれど、全く違う植物と考えてもいいらしい。同じものだと勘違いするから、タイ米をまずいなどということになるのだろう。インディカ米を新しいデンプン源と考えて食べることが必要のようだ。

多様性を捨てたコシヒカリ一辺倒の米作りについても批判されている。確かに今生産されている米は、コシヒカリの親戚が多くなってしまって、遺伝子のばらつきが小さくなってしまって、環境の変化や病害で大きな影響を受ける可能性は否定できないだろう。昔は4000品種くらいが作られていたらしい。今は200品種くらいで、トップ20で99%を越してしまっている。新潟県だと、今年はコシヒカリ85.5%、こしいぶき7.8%で、この二品種で93.3%になっている。

そういえば、アンデスのインディオの農家が作るジャガイモの品種は一度に数百種植えるらしい。そうすることで、色々な気象災害や病虫害があってもどれかが収穫できるようになるらしい。

最後の農業生態系の話も面白い。森の重要性についてはきたきつねと同じ考え方だ。

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