大豆イソフラボン
今日、食事以外のサプリメントなどで摂取する場合の安全基準を検討していた食品安全委員会の専門調査会が1日の上限の目安を30ミリグラムとする案をまとめて、パブリックコメントを募集し始めた。妊婦と15歳未満の子供はサプリメントの摂取が進められないといコメントもでている。
昨年の11月に食品安全委員会が日本人が摂取する1日あたりの大豆食品の量や研究データなどを元に、サプリメントや大豆食品からのイソフラボン摂取目安量を検討したところ、出てきた数字が男性で70ミリグラム、閉経前の女性で59ミリグラム、閉経後の女性で71ミリグラムとなったというニュースがあって、検討を進めていたところだった。
イソフラボンは更年期障害、乳がんや前立腺がんの予防効果、美容効果などがあるといわれてサプリメントとして色々な商品が発売されている。ただ、サプリメントは食品なので、医薬品と違って摂取量の歯止めが難しいし、良いとなると摂りすぎるのが普通だ。
実は昔からベジタリアンの間では、大豆の食べ過ぎはいけないことは常識になっていた。極端なベジタリアンは、乳製品も摂らないので、タンパク質を大豆から摂ることになる。大豆のイソフラボンは植物エストロゲンともいわれていて、女性ホルモンと同じような機能があるので、妊娠中の場合、イソフラボンの影響で男の子の陰茎形成が不完全で尿道下裂になることが知られている。
今回のコメントは妊婦と第二次性成長期前の子供に内分泌異常の心配があるということだろう。「過ぎたるは及ばざるがごとし」というよりも、「過ぎたるは危うし」ということになる。
安全な食べ物という狂信的な人も多いけれど、これまで食習慣がある食品といっても全ていくら食べても安全という保証はないということを判って欲しい。人は、長い歴史の中で色々な物を色々な形で食べることで暮らしてきていて、よく一日に30品目以上食べるのが理想的だというのは、安全を分散している意味があるのではないだろうか。
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