右も左もわからない
筑摩書房の『ちくま』5月号を読んでいたら、穂村弘さんの絶叫委員会の2回目「子供の世界」の冒頭に、「幼稚園の頃右と左がわからなかった」という記述を見つけて、やっぱり判らない人もいたんだと嬉しくなった。前に書いたけれど、きたきつねは重傷で小学校5年生まで判らなかった。
穂村さんは、右といわれた場所が体を動かすと左になることが理解できなかったということで、きたきつねの場合はそうだったのかなと思えるところもあるし、違っているのかなという気もするのでよくわからない。
ただ、これを読んでいて、先日読み終えた養老孟司さんの「無思想の発見」(ちくま新書)を思い出した。これこそ『感覚と概念』の世界そのものだ。
子供の頃は、感覚世界にいるので、位置が自分を中心としているから、概念世界の右と左は理解できないのだ。そこで養老さんは、子供は自然だといっているわけだ。
きたきつねは小学校の担任の先生のおかげで、概念を理解させてもらって今に至っているわけだ。
「無思想の発見」は新書だけれど、養老さんのこれまで説いてきたことの全てが凝縮しているような気がしていて、久しぶりに何度も読んでみたい本に出会った気がしている。
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コメント
私も左右がよくわかっていなかったと思います。理解したのかはいつ頃か、定かではありませんが・・・直接手に、マジックで字を書いて間違わないようにしていたことを思い出しました。
「無思想の発見」...読みたい本がイッパイであります。
投稿: てらむら | 2006/05/21 18:22
てらむらさん
右左が判らない仲間が増えて嬉しいです。
読まなければならない本がどんどんたまっています。雑誌ばかりを先に読んでいると厚い本がたまります。
出張の移動中に読めばいいのですが、なかなか思うようになりません。
投稿: きたきつね | 2006/05/21 23:38