プライスコレクション
今日、関東甲信越は梅雨明けした模様ということだ。この「模様」というのが、ファジーではっきりと梅雨明けを宣言できないということのなのか。
東京国立博物館で開催中の「プライスコレクション・若沖と江戸絵画展」を見にいってきた。
はずれもあったけれど、江戸時代の絵画の流れが判るような展示となっていて、非常に興味深かった。
若沖の「鳥獣花木図屏風」は、屏風をメッシュに区切って、メッシュに色を塗って動物や鳥を描いている。ピクセルを色分けしたデジタルアートのような雰囲気がある。鳳凰のような空想上のものは別として、日本産やヒクイドリやゾウなどの外国産の鳥獣が沢山描かれていて、バードウォッチングしてしまった。
動物の毛の表現がすごい。これは実物を見なければ、図版では絶対に判らない。
きたきつねは、若沖の「鶴図屏風」が非常に気に入った。卵形のベースに鶴を表現していて、江戸時代というよりも時代を越えた普遍性を感じた。若沖は今でもグラフィックデザイナーとして売れるのではないだろうか。
気になったのは、見たことがないので仕方がないけれど、若沖の「猛虎図」の虎の目の光彩形が間違っていた。他の虎の絵はちゃんと猫科の目の特徴がでていたのに、これだけは違っていた。手本が間違っていたのだろう。
貴重な文化財を死蔵しているコレクターが多いのだけれど、個人のコレクションを惜しげもなく公開してくれたプライス氏に感謝したい。
夏休みということで、本館で「親と子のギャラリー 博物館の動物園」という特別陳列が開催中だったのでこれも見てきた。土偶のイノシシとか象牙の鷹など、収蔵品の中から動物を表現したものを展示していた。
国立博物館は、独立行政法人になってからサービスが向上したし、一般の人に見せるための努力もしている。3000円で、一年間、国内の東京、京都、奈良などの国立博物館で、平常展が何度でも観覧でき、特別展も6回見ることができる「パスポート」を発行していて、非常にお得だ。ただ、今年の10月から値上げになるらしい。
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