写真はノイズがあるから
ちょっと前にラジオを聞いていたらTBS全国こども電話相談室の動物の回答者で、京都大学霊長類研究所教授の遠藤秀紀先生が、 研究で写真も使うけれど、絵も使うという話をしていて、その中で「写真はノイズがあるから」といっていた。
きたきつねは、この話はよく分かるし、「ノイズ」というのは非常に良い表現だと思った。バードウォッチングで鳥の種類を識別するのに図鑑を使うけれど、写真図鑑よりもイラストの図鑑の方が錯誤しにくい。写真は、リアルのだけれど、人ほどの違いはないにしても鳥も個体差があって、これが「ノイズ」になって微妙な違いが気になることがある。その点、イラスト図鑑ののほうが、種としての特徴が整理されているので、使い易い。
犯罪捜査でも、コンピューターグラフィックのモンタージュ写真よりも、手書きの似顔絵のほうが検挙率が高いらしい。それで、警視庁では、2000年から「似顔絵捜査員認定制度」という仕組みを設けたということだ。
結局、頭の中にあるイメージは、実物の写真より、視覚情報から特徴的な部分を取り出してデフォルメして再構成しているので、イラストや似顔絵の方が直感的に分かりやすいのだろう。
だから、きたきつねは、バードウォッチングを始めたばかりの人には、イラスト図鑑を薦めている。
それにしても人の脳は不思議だ。
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