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2007/04/16

忍び寄る穀物高騰

今日は気温が上がらず12度以下と肌寒かった。昼頃から雨が降り始め、降ったりやんだりだった。西から強い雨がきている。

NHK総合テレビのクローズアップ現代は「忍び寄る穀物高騰~人と車の争奪戦~」で、バイオエタノールやバイオディーゼルのバイオ燃料の増産によって、穀物の価格が高騰している話だった。

アメリカでトウモロコシを使ってバイオエタノールを作るようになったために、トウモロコシの価格が高騰して、トウモロコシを主食にしているメキシコで暴動が起こったのことについて、以前書いたことがある。

京都議定書を無視している石油業者のブッシュが、バイオエタノールに力を入れているのは、地球温暖化対策とは関係なく農業対策ということはあまりしられていない。

WTO対応で、農産物に輸出補助金を出せなくなったので、トウモロコシのバイオエタノール生産に補助金を出しているのだ。小規模なバイオエタノール工場の建設資金や生産されたバイオエタノールに補助金が出される。

] 1)混合ガソリン製造業者に対する使用したエタノール1ガロン当たり51セントの連邦税控除
] 2)小規模エタノール製造業者(年間60百万ガロン/年以下)に対する15百万ガロンを上限とする10セント/ガロンの連邦税減税措置
] 3)農務省の商品金融公社による原料トウモロコシの使用量の40%の無償供与(バイオエネルギープログラム)
] 4)各州政府によるガソリン税の減税、エタノール製造業者への直接補助

農家はトウモロコシでバイオエタノールを作れば補助金がでるので、一生懸命バイオエタノールを作ると、市場に出回るトウモロコシの量が減少して、市場価格あがることになる。

実際に、一年足らずの間にトウモロコシの価格は倍になっている。すると、トウモロコシ生産農家は補助金と販売価格の両方で儲かることになる。トウモ ロコシを作るメリットがでたので、トウモロコシの作付けが増え、その分大豆の作付けが減り、大豆の価格が上昇するという悪循環になってきている。

トウモロコシは、家畜のエサなので、もう少しすると肉や卵の生産量や価格に影響が出てくるだろう。人と自動車がトウモロコシを奪い合うことになる。アメリカの農業は、食糧の安定供給などの義務はないから、金になればなんでもありだ。

国立環境研究所の元所長の石井さんが「食べ物を車に奪われてよいのか」というコラムを書かれているのを今日見つけたけれど、これも参考になるだろう。

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