カラス なぜ遊ぶ
カラスは黒くて、気味が悪い鳥というイメージがあるけれど、利口で憎めない鳥だ。
「カラス なぜ遊ぶ」は、宇都宮大学の杉田先生が研究対象にしているカラスの能力についての入門書で、解剖学的な内容からカラスの行動まで、わかりやすく解説している。
カラスは臭いが分からないとか、数の概念がわかるといったことを実験で確かめていて、唐沢孝一さんの「カラスはどれほど賢いか―都市鳥の適応戦略」とちょっと切り口が違って面白い。
読んでいて気になったのは、79ページにこんなことが書いてあったことだ。
『2001年、あるテレビ局から「田舎のカラス(ハシボソガラス)と都会のカラス(ハシブトガラス)の脳は違うはずだ。<中略> 先生そこのところを語ってくれませんか」という依頼を受けた。
<中 略>
ところが、1枚貸したカラスの脳の写真が改竄され、あたかも都会のカラスと田舎のカラスに脳の構造変化が生じ、進化が構造的にあるように放送され たのには驚きました。番組にもよるものでしょうが、テレビは話半分、いや、それ以下と思ってみるのがよさそうだとつくづく学習したものでした。』
これはまさに例の「あるある捏造」の仲間ではないか。早速、「カラス テレビ 脳」で検索したところ、「日本テレビ・特命リサーチ200Xでのカラス特集について」が見つかった。
2001年2月25日放送の「進化する都会のカラスの脳を探れ!」というタイトルの番組らしい。
本を読んでいるとこんな拾いものがでてくるからやめられない。
| 固定リンク
コメント