大学に競争原理?
財務省が、大学の運営費交付金の配分に競争原理を持ち込んだ試案を発表した。
科学研究費補助金や特別教育研究経費が多い大学に厚く配分するということだけれど、絶対におかしい。そんなことをすれば、教育系の大学にはほとんど交付金が行かなくなるのは火を見るよりも明らかだ。
それと、文化系の大学では、実験装置や高額な測定器を使わないので、科学研究費補助金や特別教育研究経費の絶対額が小さくなるので、交付金は少なくなるだろう。
工学系や理学系で、大規模な実験をしているところが競争的資金の金額も多くなる。さらにいえば、科学研究費補助金の審査委員は、東大、京大などの旧帝大系の大学の教官が多くなっているので、配分に偏りがでる。
そうでなくても、毎年効率化ということで、運営費交付金の減額があるし、人件費の減額で定員削減になっているのだから、踏んだり蹴ったりの仕打ちだろう。
大体、教育や研究に経済原理を持ち込むことが間違っている。教育改革が叫ばれているのに、教員を養成するところがおかしくなれば、優秀な教員が生まれるわけもない。
財界の人間が考える教育や研究は、実利しか追わないから、技術に偏ってしまう。知の豊かさを育むことが、国家の財産になることを考えるべきだろう。
百年の大計を持った大学の研究教育のあり方を考えるべきだと思う。
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