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2007/08/09

家電量販店の「品格」

日経ビジネスの8月6/13日合併号の第2特集に『家電量販店の「品格」孤独な最大手、ヤマダ電機の猛進』というのがあった。藤原先生の「国家の品格」以来、「品格」という言葉が安売りになっているようだ。

連結売り上げ1兆5千億に届く勢いの家電量販店トップ「ヤマダ電機」の首都圏進出と内部統制についての特集で、日頃店舗で感じていたことと符合して面白かった。

きたきつねは近くに電機店がないので、比較的近いヤマダ電機にいくのだけれど、子供たちは「嫌い」といっていかないようだ。

売り上げ日本一のを維持するためのヤマダ電機の取っているビジネスモデルは、勢いのあったダイエーと同じ臭いがする。強大なバイイングパワーで安く仕入れて、売れば儲かるに決まっているのだろう。でも、どこかに歪みがくるはずだ。

一番面白かったのは、テレビ会議、監視テレビ、レジの管理などITを使った中央集権と上意下達の徹底というところだ。ダイエーは出店を急速に増やすなか で、人材の補給が続かなかったことが、帝国崩壊の原因だときたきつねは思っている。そこのところをヤマダ電機は、本社が直接店舗をコントロールすることで 乗り越えようとしているようだ。

価格決定権や品揃えなどの権限を店舗に与えずに、販売員としてのみ人材を使う。そうすれば、現場の人間に判断させる必要がないから、優秀な人材はいらないし、店舗数を拡大しても、ヤマダ電機本社のクローンを増やすことができるという考えのようだ。

すごいのは、値引きは本社が決めているので、それ以下の価格で売ろうとしても、レジに金額を入力できない仕組みになっているということだ。どうしても限度価格を下げたいときは本部に許可を取り、パスワードをもらわなければいけない。

先週も、チラシにでていたポータブルHDを買いに行ったのだけれど、「ポイントもつかないのだから、2台買うから安くして」といったけれど、「無理です」 とひとこと。「日経ビジネスを読んだの」と聞くと、うなずいていた。結局、ちょっと離れたケーズ電器で、交渉成立で買うことができた。

店舗内の監視カメラは、万引きなどの防犯というよりも、店員の配置や仕事を監視しているらしい。そういえば、販売員は皆レシーバーを耳に付けているのは、遠隔からの指示を受けていたのだ。これが進むと、GPS端末を持たされて、常時監視されることになるのだろう。

中央集権、上意下達で人材育成は育つのだろうか。中央ばかりではなく、やはり現場をよくわかった人材が育たなければ先は暗い。組織が巨大になればなるほど、武田信玄侯ではないけれど「人は石垣、人は城」という言葉が生きてくる。

これから連結売り上げ3兆円、市場シェア30%を目指すらしいけれど、興味をもって見ていきたい。

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