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2008/01/13

嘘だらけのヨーロッパ製世界史

日中は西北西の強い風が吹いて、気温が6度台で寒い一日となった。

子供が成人式で、なんだか一日送り迎えをしていた感じで、疲れてしまった。

ようやく『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』を読み終えた。

エジプト文明やギリシャ文明は黒人の文明だというマーチン・バナールの「黒いアテナ」を素材に、岸田氏の唱える唯幻史観による歴史的仮説を説明している。

きたきつねは、以前からヨーロッパ人は、アルビノでメラミン色素が少ないため、太古の紫外線の影響を避けて高緯度地方に移動した人類だと考えていた。岸田さんは1万年くらいまえにアルビノ化が起こって、元々主流の黒人に迫害されて、アフリカから追い出されたという考えのようだ。

その迫害の恨みが、ヨーロッパ人の行動原理になっているというのだ。井沢元彦氏の『逆説の日本史』の呪詛や呪縛が歴史の根源にあるという考え方と同じように感じる。

さらに、ヨーロッパの民族としての優越性を主張するために、歴史を都合のよいように作りかえてきたというのだ。

きたきつねは、歴史は何らかの普遍的な法則があって、自然現象と同じように人の意志と関係なく決定されると考える唯物史観は、承伏しがたいと思っているので、唯幻史観なかなか面白い。

人の意志決定は、合理的なものばかりで行われず、歴史はいろいろな人の意志によって作り出されていると考えるべきだろう。そこには、恨みと、嫉妬、劣等感、欲望という複雑なものが原動力になってくるのだろう。

岸田氏は、『貧しく惨めな生活をしていた「未開人」を、開化させるためにヨーロッパ人が頑張ってきたという、現在のヨーロッパ中心主義の歴史は、間違っている。厳しい自然環境で苦しい生活をしていた食い詰めたヨーロッパ人が、豊かな生活をしていたアフリカやアジアを植民地にすることで、資源をヨーロッパに持ち出すことで貧しく惨めな生活にしてしまったのだ』という。非常に説得力がある。

途中、マーチン・バナールの「黒いアテナ」に関する、学会での批判などを取り上げすぎて判りにくいところがあるけれど、前半と、後半はわかりやすく面白かった。

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