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2008/02/12

EUのバイオディーゼル燃料はバブルに終わるのか

EUでは、ディーゼル車が多いことから、温暖化対策として植物油から作るバイオディーゼル燃料を選択して、2003年から普及につとめてきた。そのために優遇税制と法制度の整備を進めてきていた。

当初は、減税措置があることから、EUでのバイオディーゼル燃料の生産量は1000万キロリットルくらいまで増加した。そこで2006年夏から減税措置が打ち切られた。

ところが、バイオディーゼル燃料の消費量が900万キロリトルと供給過剰傾向が出てきた。さらに、マレーシアやインドネシアから低コストなバイオディーゼル燃料の輸入され、EUで生産されたバイオディーゼル燃料が売れなくなってきていることも問題になっている。

さらにバイオディーゼル燃料の原料価格の急騰もあって、EUでの生産コストが原油由来の軽油の価格よりも大幅に高くなってしまったということも、バイオディーゼル燃料を生産する企業の収益を悪化させることになっている。

このままだと、EUのバイオディーゼル燃料生産は急速に減退する可能性がでてきたということだ。バイオ燃料ブームが消えてしまうかもしれない。

アメリカはバイオディーゼル燃料とバイオエタノールの税控除措置を続けることになっている。しかし、バイオエタノールも工場の増設で供給過剰の傾向がでてきている。もともとアメリカでは、年間70億ドルもの補助金とブラジルのバイオエタノールへの関税でバイオ燃料生産企業を保護しているけれど、どこまで続けられるだろうか。

バイオ燃料は、パーム油、大豆、サトウキビを作るために熱帯雨林の伐採による環境破壊の問題も孕んでいるし、アメリカやEUの農地の土壌の劣化や水不足につながる心配もあるということで、見直しが進むかもしれない。

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