グルタミン酸は頭を良くする?
第62回日本栄養・食糧学会大会で「うま味の基礎研究から高齢者のQOL改善への利用」というシンポジウムがあって、その中でお茶の水女子大山本茂教授の「うま味調味料」が高齢者QOLの改善に効果があるという発表がインパクトがあったらしい。
病院食のグルタミン酸濃度が、通常の半分程度の病院で、不足したグルタミン酸を添加食事にした結果、血液検査で血中リンパ球の増加、血清亜鉛値の上昇、主観的評価では、認知スコア、食行動、意欲の表現、言葉による意思疎通の向上が確認されたということだ。
生気のないお年寄りが、添加食を60日間食べた後に、生き生きとした表情に変化しているビデオが紹介されたらしい。
今は科学的にも否定されている「中華料理店症候群」の影響で、多くの人が「うま味調味料」を敬遠する傾向があって、誤解は解かれていない。
逆に、「グルタミン酸は脳内でγ-アミノ酪酸(GABA)に変化し神経伝達物質として重要な働きをしている」ということだから、グルタミン酸の重要のようだ。
GABAは血液脳関門を通過せず、脳内に入らないから、医薬品としてのGABAの有効性は否定されているけれど、グルタミン酸は間違いなくGABAに変化して神経伝達物質として働くので、有効のようだ。
GABA入りチョコレートを食べるよりも、「うま味調味料」を適度に使った料理を食べた方が脳神経の活動を豊かにしてくれるということになるというのが、面白い。
きたきつねの子供の頃は、「うま味調味料」を食べると頭が良くなるということで、食卓には「味の○」という「うま味調味料」が何時も載っていたことを思い出した。まずい料理も旨くなるし、一石二鳥だったと思う。
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