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2008/06/05

レスター・ブラウンPLAN B3.0

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今日は、旧暦4月2日。二十四節気の「芒種」、七十二候の「蟷螂生ず」。東向きの風が吹いて、雨が降ったり止んだりだった。タイミングが良く傘を一度も開くことがなかった。

午後から東京のサンケイプラザで開催の農業環境シンポジウム「穀物の争奪戦が食卓を襲う ―世界の穀物と環境問題―」を聞きに行った。基調講演は、アースポリシー研究所のレスター・ブラウン博士で、『フードセキュリティを確立する プランB 3.0』というテーマだった。

中国の食糧生産状況については、農林中金総合研究所のルアン・ウェイさんが大豆を除いて米、小麦、トウモロコシの穀物生産は向上していて余剰があるため、世界市場への影響は少なくなっていると強調していた。

中国国内での豚肉の消費量が急速に増加して、大豆の輸入量は増加しているのだから、大豆の価格高騰への影響は無視できないと思う。

ブラジルの食糧生産状況については東京農工大学の山田祐彰さんが、セラードの開発が急速に進んでいることや、アマゾンの熱帯雨林の開発は規制されているが、歯止めが利かないことなどについて話された。

レスター・ブラウン博士の今回の来日は、これまでと同様にワールドウォッチジャパンから発売された『プランB3.0 人類文明を救うために』のプロモーションも兼ねているのだろう。

過去にない猛暑が続いて、水の供給に不安がでてきている。穀物の需給バランスが崩れ、穀物在庫量が過去最低になって食糧不足となってきている。ピークオイルを迎えていて、石油が自由に使えなくなる。

食糧生産にとっては、水不足、土壌浸食、異常気象、革新的な農業技術がないため、食糧不足となる。

これらのことを解決するには、次の「PLAN B3.0」が必要だということだ。詳しくは">『プランB3.0 人類文明を救うために』を読んで欲しい。英語が得意な人は、英語版「Plan B 3.0 Mobilizing to Save CIvilization, Third Edition」のPDFが無料でダウンロードできるので、挑戦してみてはどうだろう。

1.2020年にCO2を80%削減する

2.人口を80億人以下に安定化する

3.貧困の撲滅

4.自然を安定化する

レスター・ブラウン博士の「PLAN B3.0」は頷けるところもあるけれど、CO2排出を80%削減するということは、化石エネルギーの使用を止めるに等しいから、今のアメリカ的資源浪費型生活はできないはずなのだけれど、それを「止めよう」とか「すべきではない」ということは絶対にいわない。

電気自動車とか風力発電、太陽光発電で対応できるということでお茶を濁してしまっている。本当はよく判っているのだと思うけれど、それを言ってしまうとファーストクラスの飛行機に乗り、一流ホテルのスイートに泊まる生活ができなくなるということなのだろう。

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コメント

講演をさっそくのご紹介をいただき、有り難うございます。

『プランB3.0』の他、レスターの著書はダイアモンド社ではなくて(株)ワールドウォッチジャパンから発刊しています。
宜しくお願い致します。

投稿: 環境ちゃん | 2008/06/06 18:46

環境ちゃん

お知らせありがとうございます。

ワールドウォッチジャパンに変更しました。

ワールドウォッチジャパンは株式会社だったのですね。ホームページでは会員を募集したりしているので、NGOかなと思っていました。

投稿: きたきつね | 2008/06/06 21:01

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» 世界食糧サミット−食の安全保障と気候変動、バイオ燃料 [温暖化いろいろ]
 単なるFAO主催の一国際会議程度のはずだったものが、世界食糧サミット(といっても5年に一回あるようなやつとは違うのですが)という名前に変わって、世界の注目を集めています。 われらが福田首相も外遊でイタリアを含む欧州諸国に出かけました。 High-Level Conference on World Food Security: the Challenges of Climate Change and Bioenergy http://www.fao.org/foodclimate/hlc-home... [続きを読む]

受信: 2008/06/07 08:38

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