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2008/06/16

「次世代バイオ燃料」?

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今日は七十二候の「梅の実黄ばむ」。「つゆ」を梅雨と書くは、梅の実る頃に降る雨ということということだ。南東の風が吹いて気温が上がり、夏日となった。

沖縄県名護市で開かれていたG8科学技術相会合が昨日終わり、「低炭素社会の実現に向けて、非食物の木くずや稲わら、廃棄物などを原料にした『次世代バイオ燃料』の研究開発を強化することで合意した」というニュース。

「次世代バイオ燃料」というけれど、今G8の国々にある自動車を走らせるためにどれだけのバイオエタノールやバイオディーゼル燃料が必要なのかわかっているのだろうか。

単純計算で、1リットルのバイオエタノールを作るのには少なくとも3キログラムの木くずや稲わらが必要になる。日本の稲わらの生産量は、大体米の生 産量と同じくらいだから約980万トンくらいになる。山奥の水田の稲わらまで全て使ったとすると、約320万キロリットル強になる。

日本国内のガソリンの消費量は6000万キロリットルだから、稲わら全部をつかっても必要量の6%弱程度にしかならない。もちろん日本全国の稲わらを全部集めて、運ぶために必要なトラックなどの燃料が必要だから、それを考えるとなかなか難儀なことになる。

木材にしてもそれほど多くは望めない。家を壊した廃材は、防腐処理や防蟻処理したものがあり、アルコール発酵で使う酵母が防腐剤などで死滅するといった問題も起こるなど、それほど簡単ではない。

そうなると、海外で木くずや稲わらを使った「次世代バイオ燃料」を作ればいいということになるけれど、食糧でさえ将来の見通しが暗いのに、そんなことが可能だろうか。

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