公務員のボーナス削減の影響
今年の夏のボーナスは、民間が軒並みダウンということで、人事院は国家公務員の6月の期末手当を0.2ヶ月分削減の人事院勧告を国会に提出して、給与法が改正された。0.2ヶ月分というのはおおよそ10%の削減ということになる。
国家公務員のボーナス削減を受けて、都道府県など地方自治体も一斉に人事委員会からボーナスの削減勧告がでて、議会で可決している。地方公務員のボーナス削減は、10%程度であるけれど、それでなくても冷え込んでいる地方の経済への打撃は大きくなるだろう。
法定最低賃金を比較して分かるように、地方の給与水準は、首都圏や関西圏と比べるときわめて低い。東京都の法定最低賃金は1時間当り766円、茨城県676円、青森県630円、全国平均687円となっていていることからも明らかだろう。
そのような較差のある中で、地方では公務員の給与水準は比較的高めというこということはいえる。さらに、地域社会の中で地方公務員は所得の割に、周囲の人に比べて可処分所得が多めで、地域経済への貢献度は高い。
何故、可処分所得が多くなるかといえば、地方公務員は、多くが自宅から通っていて、兼業農家であったり、非農家でも自家消費の米、野菜を作っていたりしていて、購入する食材が肉と調味料くらいだったり、都会のサラリーマンに比べると給与水準が低いけれど、可処分所得の割合が多くなる。
コンバインなどの農業機械を買ったり、耐久消費財の購入や外食などの余裕があり、地域で消費してくれている。そのボーナスが10%近く削減されるということは、可処分所得の大幅減となるから、消費が押さえられることになるからだ。
それでなくても冷え込んでいる地方経済へのインパクトが多くなるということだ。
もちろん首都圏や関西圏のサラリーマンも残業手当の減少やリストラなどで収入が減っているけれど、地方の給与水準と比べるとまだ余裕があるだろう。
連合総研のアンケートの結果をみても、首都圏でも所得の低い層では実生活に大きな影響がでているけれど、支出を切り詰めたり、あきらめたりする項目を複数回答で尋ねたところ、最も多かったのは外食費で60・5%。趣味・レジャー費(44・2%)、衣料費(43・8%)、理容・美容費(28・9%)などと、生活費を切りつめるまでになっていない。
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