エコカー減税の欺瞞
エコカー減税で、トヨタの「プリウス」やホンダの「インサイト」といったハイブリッドカーがバカ売れしているらしい。
でも、エコカー減税で面白いことが起こっているらしい。というのは、排気量3000ccのミニバンと1500ccのセダンでは、燃費は1500ccのセダンの方が2倍くらい良いのだけれど、1500ccのセダンがエコカー減税の対象にならないものがあるということだ。
原因は、車体重量を9段階に区切って、それぞれに対して基準燃費を設定していることにある。基準燃費は、車体重量が重いクルマが有利で、軽いクルマは不利になるようになっている。
エコカー減税の対象になるには、それぞれの車体重量の基準燃費を15%上回ることが必要になる。ところが、車体重量の軽い車は元々燃費がいいので、基準燃費を15%上回ることができないために減税の対象外となるというわけだ。
そのため、燃費が良くない大型のミニバンが減税対象になるのに、低燃費車が除外されるという不思議な現象が起きることになるのだ。本当にエコになるかといえば、これではそうはならない。
エコカー減税をするならば、現在使っている自動車の燃費を基準にして、それよりも15%以上上回った場合に減税するというのが本当ではないか。このままだと、燃費の良い小型車から燃費の悪い大型車に乗り換えを助長することになる。
エコカー減税というのは、自動車メーカーを救済するために、実に巧妙な自動車販売戦略を作ったものと感心してしまった。
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コメント
>>現在使っている自動車の燃費を基準にして、それよりも15%以上上回った場合に減税するというのが本当ではないか
ごもっともです。ただし、自動車を製造する段階でそれなりのCO2を発生させていることを考えると一概にエコとは言えないかもしれませんが。
エコポイントも同様で、消費電力の大きな製品のほうが大きなポイントが与えられるというのも、矛盾してますね。いづれも、エコといえば誰も批判しないので、電気メーカや自動車会社に対するバラマキでしょう。
投稿: 牛久沼の河童 | 2009/05/29 23:50
牛久沼の河童さん
エコという呪文は無批判に、良いことのような錯覚を起こさせますよね。
投稿: きたきつね | 2009/05/30 01:05
そもそも平均乗車人数が1.7人で
それを移動させるために約2tの鉄の塊を動かす。
乗用車の使用自体がエコじゃないって誰も言いませんね。
投稿: no title | 2009/06/06 09:15