原子力発電はエネルギー的に自立したシステムではない
原子力発電は、廃棄物処理を考えるととんでもなく長い期間の管理が必要になるけれど、電力会社の幹部はそんな長い期間のことは考えていないと思う。「それまで生きていないし、会社がある保証もないので、後は野となれ山となれ」と考えているのか、「必ず科学技術で対応できる技術がいつかできる」と楽観的に考えているのかどちらかだろう。
それよりもなによりも、原子力発電はエネルギー的に自立したシステムではないということを忘れてはいけない。石油エネルギーが無くなったときには、システムは維持でいないということだ。
核燃料サイクルは、ウラン鉱山から天然ウランの発掘に始まり、転換→濃縮→再転換→燃料成形加工→原子力発電所→再処理→MOX燃料加工→再び原子力発電所とい流れになるけれど、この途中のプロセスに必要なエネルギーを全て原子力発電の電気だけでまかなえるだろうか。
石油エネルギーが使えなくなったとたんに、全てのサイクルが止まり、原子力発電所は使えなくなる。石油が無くなるということは想定外だから、地球温暖化の対策として原子力発電所の建設を進めようとしているけれど、決して持続性があるエネルギー源ではないということだ。
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