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2009/05/18

原子力発電はエネルギー的に自立したシステムではない

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今年の秋からも浜岡原発で始まる「プルサーマル発電」用のMOX燃料が、今日午前静岡県御前崎港の中部電力専用ふ頭に到着した。

核燃料サイクル技術がまだ未完成で、使用後のMOX燃料の処理は解決していない。「プルサーマル発電」用再処理工場の稼働が2045年と随分先のことで、それまで使用済み燃料を原発の敷地内に貯蔵しなければならない。

そのためには、貯蔵プールの冷却のために維持管理が必要で、東海地震、南海地震、東南海地震など将来起こるといわれている地震への対応も大丈夫だろうか。

原子力発電は、廃棄物処理を考えるととんでもなく長い期間の管理が必要になるけれど、電力会社の幹部はそんな長い期間のことは考えていないと思う。「それまで生きていないし、会社がある保証もないので、後は野となれ山となれ」と考えているのか、「必ず科学技術で対応できる技術がいつかできる」と楽観的に考えているのかどちらかだろう。

それよりもなによりも、原子力発電はエネルギー的に自立したシステムではないということを忘れてはいけない。石油エネルギーが無くなったときには、システムは維持でいないということだ。

核燃料サイクルは、ウラン鉱山から天然ウランの発掘に始まり、転換→濃縮→再転換→燃料成形加工→原子力発電所→再処理→MOX燃料加工→再び原子力発電所とい流れになるけれど、この途中のプロセスに必要なエネルギーを全て原子力発電の電気だけでまかなえるだろうか。

石油エネルギーが使えなくなったとたんに、全てのサイクルが止まり、原子力発電所は使えなくなる。石油が無くなるということは想定外だから、地球温暖化の対策として原子力発電所の建設を進めようとしているけれど、決して持続性があるエネルギー源ではないということだ。

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