星のや軽井沢はエネルギーシステムはすばらしい
今日もったいない学会の勉強会で、星野リゾートが運営する「星のや軽井沢」の地熱利用システムの説明を聞いた。
以前から、星野リゾートは、水力発電を利用し、自然環境との調和を考えた経営をしているといわれていたけれど、2005年に新しいリゾートホテルにするときにエネルギー利用システムも大幅に変更している。
ホテルなどは非常に大量のお湯と空調が必要なのだけれど、極めて巧妙に計画したシステムとなっているのに驚いた。昨年財団法人新エネルギー財団主催の「第12回新エネ大賞」で「資源エネルギー庁長官賞」を受賞したというのがよく判った。
地熱の利用は、400mの井戸を掘って、二重管で周囲の地下水と土層の熱を水で熱交換して取りだして、ヒートポンプで暖房、冷房、給湯に使うというシステムだ。掛け流しの温泉の熱もヒートポンプで汲み出している。
でも、システムの運転が上手くいっているのは、設備容量225kWの小水力発電があってのことで、自前の安定した動力エネルギー源をもっているのは大きな強みだ。その小水力に使う水の調整池を水面としてホテルの景観の中に取り入れる工夫など、心憎い。
すべてのシステムを、自社で考えたというところもすばらしく、だからこそ運営も上手くいっているということだろう。自然エネルギーの利用は、コンセプトが大切で、コンサルと機器メーカーに任せきっりでは、上手くいかないことが多い。
話の後の質問時に、星のやが星野温泉だった時代に、電力を逆潮流していたけれど、現在は電力会社との話がまとまらず、内部で全て消費しているという話があった。
会場から、電力会社はもっと小水力の逆潮流を受け入れるべきだという発言があったのに対して、参加者の中の東京電力の方から危険性があるので、それほど簡単ではない趣旨の発言があった。
逆潮流に関しては、世界の中でも日本の電力会社の保安基準は群を抜いて高いはずで、断りの理由でしかないような気がした。分けのわからない使うようもない風力や太陽電池の電力を買うくらいなら、安定した小水力の電力を買った方がいいと思う。
もったいない学会の石井会長がいつもいっているように、「エネルギーは質」なのだろう。
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