つくば市の回らない風力発電裁判の控訴審判決がでた
今日、東京高裁でつくば市の回らない風力発電裁判の控訴審判決がでた。
判決内容は「市側の過失が大きいとして、早大に約2億円の支払いを命じた1審東京地裁判決を変更、賠償額を約8,960万円に減額」ということになった。
早稲田大学の責任については、「提出したデータ通りの発電量が得られないことや、発電機の消費電力が発電量を上回ることを知りながら市に説明しなかった」と認定している。一方、市側が「発電量が小さく売電事業の見込みも厳しいとの情報を得ていた」という判断が示されている。
その結果、1審では7対3だった早大と市の過失割合を、3対7と逆転する判決となっている。もちろんつくば市は上告する方針らしい。
これまでも書いたことがあるけれど、選定委員会の委員に発電機メーカーと設計コンサルと関係ある早稲田大学教授を入れてしまったことが、そもそもつくば市側に問題があるわけだ。今流行の利益相反というやつだ。
つくば市は筑波研究学園都市の研究機関が何もしてくれない的な発言をしてきているけれど、つくばには風力発電の研究経験者がいるし、第三者で委員会を構成すれば、件の風車は導入されることはなかっただろう。
つくば市の風況観測は、気象研究所の巨大なタワーで30年以上の観測データがあるので、つくば市が風力発電に向くかどうかははっきりとわかるだろう。
それより、15、6年くらい前に工業技術院の機械技術研究所(現産業総合研究所)で建てた風力発電装置が回ったところをみたことがないひとは多いと思う。
今回の問題は、つくば市の脇の甘さによるもので、反省が必要だろう。
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