「花と昆虫」の観察会
今日は「オカマの日」。三月三日のひな祭りと、五月五日の端午の節句の間ということらしい。天気は曇りで、気温が上がらず、肌寒い。
午前中は、フラワーエコロジストの田中 肇さんの「花と昆虫」の観察会。田中さんは「花と昆虫がつくる自然」など花と昆虫の関係を研究されているので、非常に期待してでかけた。
里山の道を歩きながら、花を見つけていろいろな話を聞くことができて楽しく過ごすことができた。
最初にツバキの花について、春先に花を着けるのは山に木の実が無くなる頃に咲くことで、ヒヨドリやメジロに花粉を運んでもらう戦略の話。花粉を運んでもらう代償に花の奥に蜜を出しているということで、花を解剖して蜜を見せてくれた。
鳥は赤、白、ピンクの花をめざして来て、メジロは花にとまるので、花にとまった跡があることなど、非常に興味ある話をしてくれた。
初夏の里山の味覚モミジイチゴのところで、花が下を向いて咲いているので、花に止まることのできるハチやアブしか蜜を吸えないので、花粉を運ぶのはハチやアブになるらしい。
ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリを題材に、参加者に花の蜜をなめさせて味比べ。ホトケノザ>ヒメオドリコソウ>オオイヌノフグリの順で、蜜の量が多いので甘く感じた。
それは、花の長さに関係していて、一番花の奥に蜜のあるホトケノザは、ご褒美を多くしてビロードツリアブやヒゲナガハナバチのように吻の長い虫に花粉を媒介して貰っているらしい。
ヒメオドリコソウは、中くらいの花の長さで、ミツバチやハナバチ類が花粉を媒介していて、蜜の量は中くらい。オオイヌノフグリは簡単に蜜がすえるので、蜜の量は少ないということだ。植物もできるだけ省エネルギーで繁殖ができる戦略をとっているのが面白い。
スミレのところでは、スミレの図を描いてみてと言われて描いてみたが、柄への花の付き方が判っていなかった。
田中さんが花を解剖して、スミレの花の構造を見せてくれた。蜜が花の距(キョ)の中にあるけれど、実際は雄しべの下からでた二本の茎から出ていて、距は蜜を盗まれないようカバーになっている。
だから、花の中にハチが頭を入れて蜜を吸うときに花粉がハチの頭に着いて、他の花に運ばれることになるということだ。
実際に、花の蜜をなめたり、雄花と雌花の数を数えたり、花を解剖したりと非常に新鮮な観察会だった。
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