越後えびかずら維新
きたきつねは短期間だけれど、新潟の上越市で暮らしたことがあるので、サブタイトルの日本ワイン葡萄の父川上善兵衛異聞というのを見て「越後えびかずら維新」 を読むことにした。
上越にいた頃には、岩の原葡萄園に何度もいって、川上善兵衛さんのことはなんとなく近親感があるし、資料などである程度は知っているので、読み始めたけれど、普通の伝記とはちょっと趣向が違う感じがした。
第一章でこの本を書くに至った経緯が書かれているのだけれど、懐かしい地名や人が何人も出てきて、嬉しくなってしまった。
見知らぬ人から送られてきたカセットテープに吹き込まれた、瞽女の森脇トヨさんの語る善兵衛さんの思い出話を通す形で、これまで伝記で書かれてきたとちょっと違う視点で生身の人間としての善兵衛さんを浮き彫りにしている。
当時の生活感のある人びとの関わりも判って、善兵衛さんが一層すきになった。
ワインの製造は明治の初期から始まっていたけれど、葡萄の品種改良は善兵衛さんが日本初といっても良いのではないか。それも公的資金ではなく、私財をなげうってというのがすばらしい。
善兵衛さんの跡取りの養子の川上英夫さんは同窓というのは知らなかった。
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コメント
川上善兵衛さんの事は、最近新聞などで知ったばかりですが、同郷の人間として何だか誇らしい気持ちです。
ワインにはあまり馴染みがなかったのですが、改めて注目したいと思います。
記事をありがとうございました。
投稿: 雪国 | 2010/07/27 23:00
この本を読んで善兵衞さんの事を以前よりもっと凄いと思うようになりました。岩の原葡萄園のワインは、美味しいですよ。
上越にはお酒の坂口謹一郎さんもいます。
投稿: きたきつね | 2010/07/28 12:02