鳥脳力―小さな頭に秘められた驚異の能力
書名を見てつい面白そうだと思って注文した「鳥脳力―小さな頭に秘められた驚異の能力」を読み始めて、予想と大きく外れていたことが判った。
実験心理学者が、鳥を使った実験から得られた、鳥の脳と脳の働きについての啓蒙書だった。鳥脳力という表題からして、ひねっているようで、面白いエッセイかという勘違いだった。
ネズミや鳥もモデル動物に使われるが、鳥は色彩感覚があるし、声も人の課長周波数に近いということで、実験によく使われるらしい。
読み進んでいるうちに、バードウォッチャーも知っていると役に立つ話が多いので、一気に読んでしまった。
鳥が恐竜の生き残りで、始祖鳥から現代の鳥への進化の過程の話題、鳥の脳の構造とほかの動物の違いなどは、普段はあまり触れることのないことだ。
鳥の短期記憶は、三歩歩くと忘れるというのはまんざら間違いではないらしい。そのかわり空間記憶は、しっかりしていて星座や、地形を覚えているということだ。そうでなければ、渡りは無理だろう。中でも伝書鳩の話は、歴史も含めて、帰巣実験の内容は面白い。
訓練によっては、道具を作り、絵や音楽を聴き分けたり、言葉を理解できるというなど、非常に興味深い話題がいっぱいだった。
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