北海道大学総合博物館
理学部の旧本館に総合博物館ができたのは知っていたけれど、いつも時間がなくて前を通るだけだったので、ようやく中に入ることができた。
総合博物館は、札幌農学校の開校1876年(明治9年)以来、現在までの研究の成果の400万点を超す貴重な学術標本の一部を展示するために1999年に開館したということだ。
エントランスから入ると大学の歴史展示から、研究内容の展示、学術標本の展示などが続いていた。
札幌農学校の開学からの歴史コーナー。「Boys be Ambitious !」のクラーク精神、リベラリズムなどの展示があった。
途中、チェンバロの演奏をしていた。毎週木曜日の午後に演奏しているらしい。
このチェンバロは、平成16年の台風18号で倒れたポプラ並木のポプラの木を使ったチェンバロということだ。日本で育ったポプラは、材が柔らかく、用材としては適していないので、チェンバロも力のかかる部分は、台風で倒れたハルニレなども使っているらしい。
展示物は、北海道大学の全学の研究領域にわたっていて、質量ともに圧倒されてしまった。東京大学総合博物館に行ったことがあるけれど、ここと比較すると小規模だった。
動植物の分布境界線として有名な津軽海峡のブラキストン線を提唱したトーマス・ブラキストンが採集した多くの標本が北大に収蔵されているが、その一部も展示されている。
初めて見たのは、皮膚科の病気の蝋人形標本で、非常にリアルな標本が多数展示されていた。中でも、天然痘の病兆を見ることのできる写真の標本は、天然痘が地上から消えてしまった現在では、天然痘を目で見ることのできる非常に珍しいものらしい。
全館が博物館なっている訳ではないようで、古い大学の廊下の雰囲気がそのまま残っている。
博物館は、時間があればまた訪れて、ゆっくり見てみたいと思いながら帰ってきた。
理学部と農学部の間のローンは、6年前の台風で倒れたハルニレの切り株が残っていた。台風の去った次の日に、用事があって同じ場所を通ったことを思い出した。木が倒れ、大きな枝が多数落ちていた。
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